[書評:これが沖縄の生きる道]希望をベースに未来を描け

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1995年に米海兵隊員らによって起きた少女暴行事件の翌年、当時の大田昌秀知事は、「基地返還アクションプログラム」を策定。2015年までに沖縄県内の全ての米軍基地を返還させるという意欲的な内容だった。

また、同年にまとめられた「国際都市形成構想」は、沖縄を東アジアの平和実現を進める国際都市として機能させる事をめざした。

いずれの構想も後の稲嶺・仲井眞両知事に引き継がれる事はなかった。しかし、「本来あったはずの沖縄」の実現に向け、住民参加の基盤作りが試みられていたことは記憶されるべきだ。

「内地には、沖縄が二の轍を踏んではいけない失敗例が腐るほどある」(宮台)。「日本から見れば『沖縄が自滅』していく道もありありと見える」(仲村)。閉鎖的と言われる沖縄の言論を向こうに回して、挑発的な言動を著者らに行わせるのは、沖縄が「日本化」していくことへの危機感である。

例えば本土では、画一的なショッピングモールが林立している。今後、狭い沖縄で、基地跡地にどかどかとショッピングモールが造られれば、何が起きるだろうか。

「恨み」をベースにした基地への依存ではなく、生活と生産の場としての沖縄を、「希望」をベースに住民自らがデザインするのが「沖縄の生きる道」。300ページ以上の大著で論点は多岐にわたり、一行も気が抜けないが、豊富な注釈で読みやすい。

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2014年11月14日(金)11:30

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