大阪・淀川区が全国初のLGBT支援、「正しい理解を深めたい」

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大阪市の淀川区役所は2013年9月、全国で初めて行政として「LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー)支援宣言」を発表した。LGBTに関する正しい知識と理解を深め、少数者の人権を尊重したまちづくりを進めていくため、2014年7月にLGBT支援を開始。日常生活で苦しんでいるLGBTの当事者や周囲の人々からの相談を受ける体制をつくり、「見えない」困窮者に対して支援の姿勢を「見せる」ことを目的としている。(フリーライター・今一生)

「ろうLGBT」が話題になった第1回の意見交換会の様子

「ろうLGBT」が話題になった第1回の意見交換会の様子

淀川区役所は毎月、LGBT当事者と区職員の意見交換会を実施。区民・区内企業、官公署職員向けには年間6回の講演・研修会を開いている。

毎月8回(1回5時間)のLGBT専用の電話相談も始めている。さらに、毎月1~2回コミュニティスペースを区民に開放し、「セクシュアリティって何?」「レインボーグッズを作ろう!」「カミングアウトされた時どうする?」などのテーマ設定のあるイベントも開催している。

事業スタートから約5カ月が経つが、その成果を淀川区役所の市民協働課の課長代理・白方昌秀さんに聞いた。

「事業を始める前は、ゲイカップル間での『お前がゲイであることを公表するぞ』というやり取りが暴力になることに気付きませんでした。LGBT当事者と区職員の意見交換会を開くことで、DVを受けている当事者の方には男性もいることを知ることができ、シェルターが女性用しかないことが課題として浮上しました」

特に、電話相談は、電話口に出た相手がLGBTに対する理解者であるかどうかが当事者には不安だった。しかし、淀川区では前述の4つの事業の運営をすべて、LGBT当事者の一人・村木真紀さんが代表を務めるNPO法人虹色ダイバーシティ(淀川区)に委託しているので、安心して相談できる。

「行政機関がやっているという安心感で電話してくださる方も多く、相談内容では貧困問題が多いです。相談者の多くが就労できていません。就労できてもトイレなどで会社の理解がなく、自分で辞めたり、辞めさせられたり長続きしません。次年度は貧困をテーマにした就労相談のセミナーなども開催していきたいです。今年1月に企業向けに行ったセミナーでは、企業の人事担当者が『知らんかった。配慮せなあかん。会社に戻って研修内容を社長とシェアし、今度、社長呼んできますわ』と言ってくれました」

「マイノリティ」や「ダイバーシティ」は、CSRでも無視できないキーワードの一つだ。社会の中での少数者というだけで社会参加できなかった人たちが解放されるまちには、優秀な人材も集まり、経済活性化が期待できる。

◆レインボー、はじめました(淀川区市民協働課LGBT支援事業の公式サイト)

2014年11月14日(金)22:07

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