邦人人質事件受けジャーナリストら「対テロ戦争によらない平和を」

このエントリーをはてなブックマークに追加

中東の過激派「イスラム国」による邦人人質殺害事件を受け、ジャーナリストや弁護士、NGO関係者が意見を訴える集会が4日、都内で開かれた。発言者からは、日本が今後「テロとの戦い」に巻き込まれ、過去に積み上げてきた平和外交の実績が損なわれることを危ぶむ声が相次いだ。(オルタナ編集委員=斉藤円華)

集会で発言するジャーナリストの志葉玲氏=4日、都内で

集会で発言するジャーナリストの志葉玲氏=4日、都内で

集会は社民党の福島瑞穂参院議員が呼びかけた。イラクやガザ地区など、戦地での取材経験が多いジャーナリストの志葉玲氏は、イスラム国が勢力を拡大した背景に言及。「原因はイラク戦争にある。イスラム国の残虐な行為は、イラク戦争後に(米国が後押ししシーア派が占める)イラク政府の治安部隊がスンニ派に対してやってきたこと。スンニ派住民にとって、確かにイスラム国はひどいが、イラク政府よりはまだマシという状況がある」と分析した。

さらに志葉氏は、「大量破壊兵器がある」との誤った情報をもとに行われたイラク戦争について「検証しなければ同じ過ちを繰り返すことになる。『テロとの戦い』という言葉に流されず、きちんと考え行動しなくてはいけない」と述べた。

新聞労連の新崎盛吾委員長は、読売・産経の各紙が朝日新聞のシリア取材を批判している点に触れた。新崎氏は「ジャーナリストが危険地域に行くことを阻む雰囲気が一番怖い」と述べ、「(対テロ戦争に傾斜する)欧米への追随を改めなければ、従来親日的だった中東など、海外の日本に対する見方が悪化する」と危惧した。

国際人権NGO「ヒューマンライツ・ナウ」事務局長の伊藤和子弁護士は「米国はベトナム戦争後、戦争から距離を取ってきた。しかし9・11同時多発テロを契機に、再び好戦的になった」と指摘。日本が今回の事件を転換点に「今後、平和とは全く逆方向に向かうのではないか。(事件が)ショック・ドクトリン(惨事に便乗した制度変更)となる」と懸念した。

その上で伊藤氏は「世界の対立が深まる今こそ、憲法9条を活かした外交を行う必要がある」と述べ、日本は対テロ戦争によらない平和を実現すべきとの考えを示した。

2015年2月4日(水)17:15

alternaショップ
ページの先頭に戻る↑