沖縄の歴史を写真絵巻で「再現」、東京・中野で8日まで

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沖縄出身の写真家、石川真生さんによる写真展「大琉球写真絵巻」が8日(水)まで東京・中野の「なかのZERO」で開かれている。琉球国から今日に至るまで、大国に翻弄されてきた沖縄の歴史を、様々な場面ごとに「再現」して撮影。屏風絵をヒントに、それらのイメージをつなげて1枚の長い布にプリントした。「写真絵巻」の題名通り、作者の視点を通じて沖縄の歴史を追体験できる趣向だ。(オルタナ編集委員=斉藤円華)

■学校で教わらなかった琉球史

写真は1枚の布に連続してプリントされた=6日

写真は1枚の布に連続してプリントされた=6日

「政権交代で安倍首相になってからオスプレイが配備され、しかも辺野古の基地計画も再び動き始めて、恐ろしいと思った。沖縄がどうしてこのような目に遭うのかを考えるには、琉球国以来の沖縄の歴史を振り返る必要がある」。石川さんは制作の動機をこう話す。

薩摩藩による1609年の琉球侵攻、明治政府の「琉球処分」、沖縄戦、米軍統治。そしてオスプレイ配備に辺野古基地建設。石川さんが再現するのは「日本から絶え間なく仕打ちを受け、そして米国は戦利品としてしか扱わなかった」という沖縄の姿だ。

写真家の石川真生さん=6日、都内で

写真家の石川真生さん=6日、都内で

写真は、沖縄の過去と現在を自身のイメージとして再構成し、寸劇風に場面を仕立てて撮影した。薩摩藩に処刑される琉球国の役人、米軍統治の横暴と戦った政治家・瀬長亀次郎、住宅の庭先に飛来するオスプレイ・・・。これらに扮するのはみな、石川さんの友人たちだ。

「皮肉に笑いを交え、楽しみながら撮った」と石川さん。沖縄の歴史がテーマ、と聞いて身構えて訪れた人も「ユーモアがあり分かりやすい」と話したという。そうして撮った写真の中でもやはり圧巻は、辺野古の海に沈められるコンクリートブロックの下敷きとなってもがく安倍首相の姿だろう。

作品「コンクリートブロック」(「大琉球写真絵巻」より)

作品「コンクリートブロック」(「大琉球写真絵巻」より)

制作にあたり、沖縄の歴史を学び直したという石川さん。「沖縄戦前後の歴史を、学校ではほとんど教わらなかった。歴史に学ぶことが大事」と話す。制作中の続編について「沖縄の未来についても撮りたい」と意欲をのぞかせた。

今回、岩波ホール(東京・神保町)で上映中のドキュメンタリー映画「沖縄 うりずんの雨」(ジャン・ユンカーマン監督)の上映を記念して作品展示が実現した。開場は午前11時から午後8時で、最終日の8日は午後5時終了。入場無料。8月には沖縄で開催予定だ。

2015年7月6日(月)19:24

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