一般社団法人MAKOTO(仙台市、竹井智宏代表理事)と福島銀行は8月21日、倒産した企業などを対象にした新型ファンドを始めた。福島県内での事業を条件に投資する。日本では一度企業が倒産すると復活は難しいが、日本初の「再チャレンジ投資ファンド」で敗者復活ができる経済社会を目指す。(オルタナ編集部=佐藤理来)
ファンドの名称は「福活(ふっかつ)ファンド」。出資総額は10億円で、1件当たり最大1億円の投資を想定している。福活ファンド投資事業有限責任組合を設立し、福島銀行が9億9500万円を、一般社団法人MAKOTOが500万円を出資した。
ファンドの投資対象は、(1)倒産などの経験があり、これから再起を計画中の元経営者(2)倒産などの経験があり、すでに再起業した経営者(3)まだ倒産などはしていないが、企業が実質的に倒産状態であり、再起を計画中の経営者--のいずれかに該当している企業や経営者が対象だ。
投資の条件として、福島県内の企業か、福島県に移転を予定している企業であることを挙げており、企業の「敗者復活」を促進するとともに、福島県経済の活性化も狙う。
MAKOTOの下里健二理事は、「日本における起業率が低いのは、失敗するとやり直しがきかないから。実際、一度失敗すると9割近くが復活できない。それでは起業家の力を無駄にしてしまっている」と話す。
確かに、日本では一度倒産すると融資を受けにくかったり、取引を停止されたりと、敗者復活が難しい。「失敗した経営者は、起業を経験している分のノウハウや人脈も持っている。失敗を反省し、生かせる前向きさを持った人を応援したい」(下里さん)としている。