仲間や地域を重視する働き方「月3万円ビジネス」、じわり浸透

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■多く稼ぐことは目指さない

月3万円ビジネスは多く稼ぐことを目的としない。経済成長やモノの豊かさで損なわれる物事、すなわちコミュニティ、地域経済、自然環境、心の余裕といった価値を重視する。

8月に行われた「3-biz夏祭り」の様子

8月に行われた「3-biz夏祭り」の様子

前田さんは米を自給したり、古民家を自分で修理したりして支出を減らしつつ、同時にそれらを仲間を募って「愉しみ」ながら行うことで生計を成り立たせている。

IT社員の芳野真也さんは「会社員で働くことは解雇などの不安が付きまとう。月3万円ビジネスを通じて、会社員とは別にもう一つのキャリアを作りたい」と話す。

芳野さんは仲間と立ち上げたNPO「職業創造センター」の理事も務める。芳野さんと前田さんは8月末、都内で月3万円ビジネスをテーマとした交流イベント「3-biz夏祭り」を企画。会場には桑の葉を煎じた茶葉や、栽培した香草「パクチー」の種などを販売する店が並んだ。

パクチーの種ほかで千円ほどを売り上げた会社員の男性は「興味を持ってくれる人が意外に多くて楽しい」。芳野さんは「社会起業やスモールビジネスを難しく考えすぎ、一歩を踏み出せない人が多い。月3万円ビジネスは失敗してもノーリスク。まず一歩を踏み出すことが大事」と話した。

競争に勝ち抜くためのキャリア形成の根底には「収入が少ないと幸せになれない」というマインドセットがある。それとは別の生き方を望む人が、月3万円ビジネスに惹かれているようだ。

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2015年9月29日(火)11:30

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