再掲)五輪を迎える東京湾は死にかけている

東京オリ・パラの開幕を直前に控える中で、懸念だった問題が再燃している。26日からトライアスロンの会場となる「お台場海浜公園」の異臭問題だ。東京湾の水質についてはかねてから問題視されていた。ゲリラ豪雨が降ると、糞尿を含んだ大量の雨水が下水管から川に流れ出て、処理されないままの糞尿が川から東京湾に流れ込む。オルタナでは2016年7月、この問題について取材した。再掲する。

「海の日」の前日の朝、東京・羽田空港付近を漁船で回る機会に恵まれた。招いてくれたのは「NPO法人東京湾 藍い海の会」の亀石幸弘専務理事(当時59)。地元・羽田で400年続く漁家の生まれである。(オルタナ編集長・森 摂)

午前9時半、東京モノレール/京急電鉄の天空橋駅からほど近い海老取川に留めた漁船に乗り込んだ。多摩川の河口付近でエンジンを切り、亀石さんが海に入った。羽田空港の施設を真横に見るこの辺りは浅瀬で、引き潮時には腰までしか水は来ない。

羽田沖で大型漁具「鋤簾」を使ってハマグリを捕る亀石さん
羽田沖で大型漁具「鋤簾」を使ってハマグリを捕る亀石さん
森 摂(オルタナ編集長)

森 摂(オルタナ編集長)

株式会社オルタナ代表取締役社長・「オルタナ」編集長 武蔵野大学大学院環境学研究科客員教授。大阪星光学院高校、東京外国語大学スペイン語学科を卒業後、日本経済新聞社入社。編集局流通経済部などを経て 1998年-2001年ロサンゼルス支局長。2006年9月、株式会社オルタナを設立、現在に至る。主な著書に『未来に選ばれる会社-CSRから始まるソーシャル・ブランディング』(学芸出版社、2015年)、『ブランドのDNA』(日経ビジネス、片平秀貴・元東京大学教授と共著、2005年)など。環境省「グッドライフアワード」実行委員、環境省「地域循環共生圏づくりプラットフォーム有識者会議」委員、一般社団法人CSR経営者フォーラム代表理事、日本自動車会議「クルマ・社会・パートナーシップ大賞」選考委員ほか。

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