映画「TOMORROW」持続可能な未来は市民が作る

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パーマカルチャーを実践する夫妻©MOVEMOVIE - FRANCE 2 CINÉMA - MELY PRODUCTIONS

パーマカルチャーを実践する夫妻©MOVEMOVIE – FRANCE 2 CINÉMA – MELY PRODUCTIONS

仏ドキュメンタリー映画「TOMORROW パーマネントライフを探して」(2015年仏作品、シリル・ディオン、メラニー・ロラン監督、120分)が12月から全国で順次公開される。監督と主演の二人は、「今の生活を変えなければ、近い将来、人類は滅亡する」という科学者たちの論文に衝撃を受け、持続可能な生活を実践している人たちを探す旅に出た。都市農業、再生可能なエネルギー、地域貨幣、新しい教育など世界中の実践者の証言を通して「未来に望みはある」というメッセージを発信する。(羽生 のり子=オルタナ編集員)

自動車産業が衰えて荒廃したデトロイトの住民は、有機農業で自給自足を始めていた。このような機械や農薬を使わない小規模農業が増えれば、土壌が回復し、生産能力が増すので世界の人口は養える、と食料権の国連特別報告官は証言する。

再生可能なエネルギーの実践では、アイスランドの地熱エネルギーの例などが紹介される。住民たちは、食料もエネルギーも大企業に牛耳られず、市民が自分たちで作っていくことが大切だ、と言う。今の経済システムに疑問を持つシリルとメラニーは、エネルギーの無駄を排して製造するフランスの封筒会社や、イギリスの地域通貨の町を訪ねる。

しかし現在の経済システムを支える大企業優遇の政治を変えるためには、民主主義を再考しなければならない。二人がアイスランドで見たのは、選挙ではなく、くじ引きで代表を決める民主主義だった。経済恐慌後、首相、中央銀行総裁を辞任させた市民たちが、憲法を制定する人をくじ引きで選んだのだ。一般市民の潜在能力の高さとそれを信頼する市民の意識の高さは脱帽ものだ。

「市民の意識を高めるには子どもの頃からの教育が大切だ」と考え、子どもの自主性を重んじるフィンランドの学校を二人が訪ねたところで映画は終わる。

一握りの政財界のリーダーに自分の運命を任せず、一人一人が自立して運命を切り開いていくことが持続可能な未来を作る。それがこの映画のメッセージだ。 東京・渋谷イメージフォーラムその他で、12月から順次公開予定。

映画公式サイト http://www.cetera.co.jp/tomorrow/

2016年11月8日(火)11:51

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