オレンジ色の野鳥――ジョウビタキ再び

■私たちに身近な生物多様性(24)[坂本 優]

前回、「紋付き鳥」こと、ジョウビタキをご紹介し、紋付きという名前の由来となった翼の中央付近の白斑についてふれたが、掲載誌面によってはスペースの関係などで白斑が確認できる写真を掲載できなかった。ご要望を受け、改めて、ジョウビタキについて取り上げ、紋付き姿の写真も掲載していただくこととした。

写真A、Bは、山梨の実家で、閉めた窓ガラス越しに、農道を挟んだ柿畑に飛来したオスのジョウビタキを撮影したものだ。彼は、私を覗き込んだ後、胸元から尾羽の先端までオレンジに染まった羽毛を誇示するように顔を上げた(写真A)。しばらくすると、私の気持ちを見透かしたのか、くっきりと浮かび上がった白斑がよく見えるように体をねじる(B)など、いくつかのポーズをとってから飛び去った。

左(A)尾羽の先まで鮮やかなオレンジ、右(B)くっきりと浮かぶ白斑
左(A)尾羽の先まで鮮やかなオレンジ、右(B)くっきりと浮かぶ白斑

昔からの評判どおり「人懐こい野鳥」と実感された十数秒だった。

このジョウビタキと、ユーラシア大陸を二分するように、バイカル湖の西岸からヨーロッパにかけて分布する、近縁のシロビタイジョウビタキは、前回もふれたように、この白い部分がないことが、識別にあたっての大きなポイントだという。

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坂本 優(生きものコラムニスト/環境NGO代表)

1953年生。東京大学卒業後、味の素株式会社入社。法務・総務業務を中心に担当。カルピス株式会社(現アサヒ飲料株式会社)出向、転籍を経て、同社のアサヒグループ入り以降、同グループ各社で、法務・コンプライアンス業務等を担当。2018年12月65歳をもって退職。大学時代「動物の科学研究会」に参加。味の素在籍時、現「味の素バードサンクチュアリ」を開設する等、生きものを通した環境問題にも通じる。(2011年以降、バルディーズ研究会議長。趣味ラグビー シニアラグビーチーム「不惑倶楽部」の黄色パンツ (数え歳70代チーム)にて現役続行中)

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