「トランプの森」運動、5カ月で全世界に63万本植樹

 

英米・ニュージーランド出身の環境活動家3人による「トランプの森」運動が世界規模で盛り上がっている。パリ協定離脱を表明したトランプ米大統領に対抗しようと植樹を呼び掛け、発足した3月末から現在までに全世界で63万本以上の木が植えられた。米国で排出されるCO2の相殺(オフセット)を目指し、目標はCO2 6.5億トン、植樹面積は10万平方キロメートルと壮大な計画だ。(クローディアー真理)

発足時に1000本、7月末には5万本、9月2日現在で63万9000本と、「トランプの森」運動の呼びかけにより、世界中で木が急テンポで植えられている。オバマ前米政権の、クリーン・パワー・プランを含む環境規制を、トランプ大統領が緩和。これを機に自ら行動を起こしたのが、サステナブルビジネスを手掛ける経営者、エイドリアン・テイラー氏、気候変動専門家のジェフ・ウィリス氏、気候科学者のダン・プライス氏。

「トランプの森」運動の仕掛け人、テイラー氏(左)、プライス氏(中)、ウィリス氏(右)

ニュージーランドを拠点とする3人は、クリーン・パワー・プランで防げるはずだった、向こう8年間で6億5000万トンのCO2の放出を植樹で相殺しようと立ち上がった。目標の植樹面積は計10万平方キロメートル。これは、韓国の国土面積に匹敵する。

運動支援の方法は2つある。1つは、パートナーである、米国の慈善団体、イーデン・デフォレステーション・プロジェクツを通しての植樹。同団体は貧困問題と森林破壊を抱える国で、双方の解決に尽力している。

もう1つは、自分が住むエリアで植樹を行う団体に寄付を行う方法。その際、宛名を「ドナルド・トランプ」としてもらった領収書を同運動のウェブサイトにアップロードすれば、同運動への貢献と見なされる。

テイラー氏は、「草の根レベルの支援をここまで受けていることを考えれば、私たち3人だけがトランプ大統領の意見に反対だったのではないことは明らか。今度は企業の協力も得て、『トランプの森』のさらなる拡大を図りたい」としている。

ウェブサイト上のマップ、植えられた木の数、それが何ドルの寄付によるものか、支援者数は日に数回アップデートされる

 

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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