[Sustainablebrands.comから転載]
CSRやブランド推進担当にとってのお悩みテーマは、圧倒的に「社内浸透」のようです。今回は、これまで私がブランド・CSR担当として、10年以上にわたり、社員向けに数百回の生講義をしてきた実体験を踏まえ、社内浸透の黄金律ともいえる「インターナルブランディング」の世界へいざないます。(SB-J コラムニスト・細田 悦弘)
「インターナルブランディング(Internal Branding)」とは
「インターナルブランディング」とは、社員に対して「CSRマインド」や「ブランド意識」を理解・浸透させ、誇りと自覚のもと自発的・主体的な行動に反映させていく「戦略的な社内浸透術」です。ブランディングといえば、通常、いかに顧客など社外(エクスターナル)に対してブランドを構築するかに重点が置かれます。しかし近年、意識の高い企業は社内(インターナル)に対するブランディングに取り組みはじめています。企業内のすべて部署の社員が自社ブランドを意識して業務にあたれば、結果として社外に対するブランド価値が向上するという考え方です。
社員は、社会(ステークホルダー)との「接点」を担う企業の窓であり、CSRの担い手・ブランドの体現者です。その社内スタッフに対して、「ブランド・アイデンティティ(自社らしさ)」や「CSRマインド」を理解してもらい、共感を獲得する。よって、社員が自覚と誇りのもとに、自発的・主体的に「自社ブランドが目指す姿」を日々のビヘイビアに反映させていく活動が「インターナルブランディング」です。この活動は、社員に対する意識変革を促すとともに、全社的な組織風土の強化につながります。