サステナビリティ経営の質を見極める

中畑 陽一(ジョニー)
企業開示物・企画編集者
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ESG(環境・社会・ガバナンス)やSDGsなど、サステナビリティが注目され、企業の取り組みも進んでいる昨今ですが、本当にその企業が社会・環境にしっかり配慮しているのかを見極めるのは至難の業です。CMがキャッチーだから、いいプロジェクトをしているから、報告書のデザインがいいから、といったことでなんとなく良い印象を持つ、ということも多いでしょう。今回は、10年ほど企業の情報開示を支援させていただいた経験から、サステナビリティ(CSR・社会環境)報告を使って企業の社会性を読み解くポイントについていくつか挙げさせていただければと思います。(なお、こちらに述べさせていただく意見は、飽くまで私個人の見解となります。また、最近はWEBも含めて開示する方向にあるため、「報告書」ではなく「報告」とさせていただきます)(中畑 陽一)

■編集方針
発行企業が報告にきちっと向き合っているかどうかを見極めるひとつのヒントが編集方針です。

とりあえず出している企業は特に編集方針を重視していません。社会・環境に真摯に向き合っている企業が必ずしも編集方針を書いているとは限りませんが、少なくとも編集方針を「しっかり」書いている企業は、情報開示に真摯に向き合っている企業と言えるでしょう。

編集方針から何かメッセージを読み取れるのか、あるいは誠実に開示しているか、について注意する意味はあると思います。(この観点は若干マニアックですが、私は最初にここを見ます)

■マテリアリティ(重要性)
企業が自社と結びつくサステナビリティ上の重要な課題がマテリアリティです。

統合報告でもサステナビリティ報告でも、マテリアリティを定義していることは基本です。なぜなら、何が重要な課題かを把握していないのに報告する場合、網羅的に報告するか、的を外した報告をするかのどちらかになるからです。

しかし、重要なのは、マテリアリティの内容以上に、それを定義するプロセスです。重要な課題が本当にその企業のステークホルダーにとっての声や気持ち(影響)を汲み取っているのか、バリューチェーン(調達先からサービスの提供後まで)を広くとらえているのか。

例えばスーパーなら「食品廃棄」の問題を重要視すべきですが、生物多様性、労働者や仕入れ先の人権、地域社会への貢献などについても影響力が大きいと考えられます。重要性決定のプロセスと、定期的な見直しが適正にされているかも見る必要があるでしょう。

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中畑 陽一(ジョニー)
企業開示物・企画編集者
大学時代に『懐疑主義』を追求する過程で、日常性への回帰を目論み、地域活性化を志す。地元の飛騨高山にてタウン誌編集や地域活性化イベントなどを行った後、上京。デジタルハリウッド大学院に通いつつNPO法人Be Good Cafeやgreenzなどの活動に関わり、資本主義経済の課題を認識。その後某証券系印刷会社にてIR及びCSRディレクターを務め約70の上場企業の情報開示支援を行う。現在は、名古屋にて企業の価値創造の記録の社会性について模索しつつ、企画編集業務に従事。

2018年6月22日(金)22:29

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