若者・キャリア・地域をつなぐ「出前授業」

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2014年から開始した「『未来への教科書~For Our Children』出前授業プロジェクト」。番組で取材した延べ約300人の中から、地域に根差した活動を行うキーパーソンを取り上げて一冊の教科書を作成し、登場人物自らが、この教科書をもとに1日先生として学校に出向き、将来の職業選択の鍵となる地域貢献や活性化について考える授業を行う。過去4年半にわたり、東日本大震災で大きな被害のあった岩手、宮城、福島の計25校で開催し、約3500人の生徒が参加(2017年度は岩手の4校で実施)。実施している学校、自治体では、「キャリア教育」としての期待も高い。(一般社団法人RCF=荒井美穂子)

■講師は地域のキーパーソン

地域のキーパーソンによる「出前授業」

出前授業では、首都圏から講師を呼ぶのではなく、「未来への教科書」に登場している、その地域のことを知り、地域に根ざした活動をしているキーパーソンが1日先生となり、地域と仕事について生徒と一緒に考えるのが特徴だ。

今回の講師は一関平泉イン・アウトバウンド推進協議会ディレクター/一般社団法人いわて圏の佐藤柊平代表理事、岩手県大船渡市でワイナリーを立ち上げたスリーピークスの及川武宏代表取締役、気仙沼で牡蠣養殖を行うNPO法人森は海の恋人の畠山信副理事長。

これまでのキャリアやその中で得た大切なもの、現在取り組んでいる事業、実現したい夢や挑戦、目指している地域の姿などを授業で生徒に伝えた。講義に引き続き行われた質疑応答やグループワークでは、生徒たちから様々な質問や意見が出された。

■「地元」を就職の選択肢に

地域の「良いところ」を捉えなおす

今回出前授業を行なった4校のうち、3校は岩手県の沿岸地域にある。これらの地域では進学や就職を機に地元を離れる若者が多く、この事が地域の人口減少や高齢化に拍車をかけている。「地元に就職先がない」というのがよく理由とされるが、実際には、地域や日本を支えている産業や、新しいことに挑戦している人たちの存在が地域の中で共有されず、子どもたちに伝わっていないため、そもそも選択肢に入っていないという面もある。

学校・自治体の関係者は、若者が地域のことを知ることで、将来の選択肢の一つに「地元」が加わることも、出前授業に期待している。

授業後の生徒たちの感想は次の通りで、地元への意識の変化が見受けられる内容となっている。

・今まで自分の住んでいる場所の魅力などはあまり考えたことがなかったが、講演を聞いて、この場所だからできることや見えるものがあると思った

・地元の文化や伝統を受け継いでいくことはとても大切なことなのだと知りました。グローバル社会になっていく中で自分の地元のことを語ることができるように今のうちから準備しておきたい

・将来、何らかの形で地元に戻ってきたいと思えた

卒業後、地域内、地域外のどちらに進むとしても、生徒たちには、出前授業をきっかけに、地元での経験や地域の存在を、これからの社会を生きる上での力として、それぞれの人生を切り拓いていってほしい。

『未来への教科書~For Our Children』出前授業プロジェクトの様子は、復興支援メディア隊For Our Childrenのサイトで見ることができる。

※三井物産(株)、復興支援メディア隊(本部:神奈川県鎌倉市、代表:榎田竜路)は、東日本大震災の「復興」をテーマにした『未来への教科書~For Our Children~』出前授業プロジェクトを続けている。

◆三井物産と復興支援メディア隊がつくる「出前授業」

◆いわて三陸復興のかけ橋「復興トピックス」

一般社団法人 RCF
2011年4月、震災復興のための調査を行う団体として発足。現在は復興事業の立案・関係者間の調整を担う「復興コーディネーター」集団として活動。代表理事は藤沢烈。活動例として、2015年度はいわて未来づくり機構を母体とする「いわて三陸 復興のかけ橋プロジェクト」を岩手県より受託し、岩手県内各地と県外企業・団体の復興支援マッチングを推進している。

2018年6月27日(水)16:38

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