拙速で一利もないIWC脱退(共同通信・井田徹治)

井田徹治
共同通信社
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日本政府が昨年末、国際捕鯨委員会(IWC)からの脱退を通告した。7月から約30年ぶりに商業捕鯨を再開する。「IWCが当初の設立目的と異なり、保護一辺倒の組織になった」などというのが脱退の理由だ。だが、商業捕鯨の将来は不透明な上、国際機関からの脱退という行動は異例で、国際社会から、協調軽視だとの批判を浴びることは確実。得るものは少なく、失うものが多い拙速な決定だ。(共同通信編集委員・井田徹治)

IWCは1982年に商業捕鯨の一時停止を決定。日本はこの決定への異議申し立てを撤回して88年に商業捕鯨をやめ、再開に向けて科学的データを収集するため南極海や北西太平洋で調査捕鯨を続けてきた。日本にとっての最大の目標は「商業捕鯨の全面再開」で、これまでさまざまな形で商業捕鯨の再開を提案したが認められずにきた。IWCに残ったままでは再開は絶望的だというのが政府の主張だ。

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井田徹治
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記者(共同通信社)。1959年、東京生まれ。東京 大学文学部卒。現在、共同通信社編集委 員兼論説委員。環境と開発、エネルギーな どの問題を長く取材。著書に『ウナギ 地球 環境を語る魚』(岩波新書)など

2019年1月14日(月)16:17

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