エコポイント制度、効果は限定的?

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「エコポイントがもらえた」。こんな喜びを抱いた人も多いだろう。昨年から省エネ家電、そして今年3月から住宅のリフォームなどをした場合、その内容に応じてエコポイントが獲得できるようになった。消費者にとっては朗報だが、政府はエコポイントの予算を縮小する意向で、景気の息切れも懸念される。経済にどのような影響があるのだろうか。

エコポイント制度は、2009年春に消費のテコ入れ策の一つとして、当時の自民党・麻生内閣が導入した。統一省エネラベルの「四つ星」以上の高性能家電の購入者に対し、商品券や別の家電の購入に使えるポイントを配布した。エアコン、冷蔵庫、地上デジタル放送対応のテレビの3商品が対象だ。

09年は不況が深刻化したこともあり、同年9月に誕生した民主党政権もこの政策を継承。翌10年には省エネ基準を満たす住宅の新築、そしてエコリフォーム向けの「住宅エコポイント」も始まった。09年度、10年度のいずれも3000億円のエコポイント予算が計上され、ほぼ使い切る勢いだ。

小売業界からの支持があったため、年内とされた家電エコポイント制度は来年3月まで延長された。またこの家電ポイントの申請件数は236万件と、1か月間としては最も多くなった。

しかし政府はエコポイント制度を段階的に縮小する意向だ。川嶋直行経産相(当時)は9月に「これは一時的な措置で、縮小はやむをえない」として、12月以降の交付はラベル「五つ星」以上の高性能省エネ家電に限定することを表明。住宅向けは来年度も行い、太陽光発電パネルへのポイント適用の検討を始めたが、実施内容は現時点で決まっていない。

また一方で、需要増の反動にともなう消費の低迷も懸念されている。9月にはエコカー補助金制度が打ち切られた。第一生命研究所は、もし仮にエコポイントが延長されても、猛暑と10月までの自動車需要で刺激された消費の反動減により、10月から12月期にかけてのGDPは前期比でも対前年比でもマイナスに転じる可能性があると分析する。

環境の観点から見れば、省エネ家電が普及しても、結局のところエネルギー需要を生むことになる。2年続けて3000億円にも上る国庫支出が、地球温暖化の防止や省エネに役立ったのかの検証もない。

「補助金を使う産業は衰退する」と言われる。エコポイントに頼らない産業の再生への道のりは遠い。(オルタナ編集部=石井孝明)10月19日

2010年10月20日(水)9:00

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