林業の技術を防災に生かす――防災アイデアソン

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一般社団法人防災ガールは9月29日、東北大学災害科学国際研究所や仙台市・経済産業省と連携し、防災のアイデアソンを開催した。約60人が参加し、上位6チームが「世界防災フォーラム2019」でのプレゼン権を得た。そのうちの一人、サンク(福井県坂井市)松下明弘代表取締役は「日本から土砂災害をなくしたい」という思いから、林業と防災をつなぐアイデアを披露した。(オルタナ副編集長=吉田広子)

会場はヤフーのオープンコラボレーションスペース「LODGE」。約60人が真剣に議論した

世界中で自然災害が頻発するなか、災害大国として「日本の防災」は世界から注目を集めている。

一方で、防災ガールによると、「防災をビジネスとして継続していくことが難しい」ことや、慢性的なプレイヤー不足といった課題があるという。

そこで防災ガールは、現状維持を脱し、「いかに新しく・本質的に課題を解決する面白いアイデアを生み出せるか」を重視し、アイデアソンを企画した。

■ 林業家の視点で土砂災害を未然に防ぐ

林業機械を使って倒木を引き上げる

林業の技術を防災の現場で生かすアイデアを披露したサンクの松下代表は、間伐や庭木の伐採、林道整備、家具の企画販売など、林業にかかわるビジネスを広く展開している。

松下代表は「山に入り込んで仕事をしているので、土砂災害や地滑りが起こりそうな場所が経験値として分かる。林業家の視点は防災に生かせるはず」と話す。

「林業家なら重機を使って倒れた木を簡単に引き上げることができる」とし、台風15号の影響で倒木被害が大きかった千葉の報道を見て、すぐにでも駆けつけたい気持ちでいっぱいだったという。

国土交通省によると、土砂災害の危険区域の面積は国土の15.7%を占めている。通常、土砂崩れや倒木といった災害が起きると、行政から土木業者に連絡が入るという。だが、土木業者で対応できないことも少なくなく、そうすると林業関連会社に見積依頼が届く。

「災害発生から現場に向かうまで何週間もタイムラグが出てしまう。現場に早く急行できる仕組みの構築が課題だ」(松下代表)

そこで松下代表は、位置情報付き写真を集めるなどして情報を収集し、地滑り予測などを立てる仕組みを構築する。「日本から土砂災害をなくしたい。未然に防げる土砂崩れや、初期段階で対応すれば被害を最小限にすることもできる」と意気込む。

このほか、元レスキュー隊員や消防士、現役看護師らによるチームは、緊急性の高い案件がうもれないように、119番通報の内容をAIで分析する仕組みをを発表。こども食堂で防災教育を行う事業や防災とフードロスを組み合わせる取り組みなど、多彩なアイデアが披露された。

13チームのうち、上位6チームは11月に開かれる世界防災フォーラムでプレゼンする。

2019年9月30日(月)13:56

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