みんな電力、新型コロナで窮する利用者の料金猶予へ

新電力のみんな電力(東京・世田谷、大石英司社長)は、新型コロナ禍で売上高が減少した事業者や生活困窮者に対して、電気料金の支払い期日を1カ月間延長すると発表した。新電力会社がこうした配慮をするのは極めて珍しい。(オルタナS編集長=池田 真隆)

対象となるのは同社と契約をし、新型コロナウイルス感染症に伴う店舗などの休業による売上高の減少、就業収入の減少、外出自粛などの影響により、電気料金の支払いを期限までに行うことが困難であり、同社が「やむを得ない」と判断したユーザーだ。

みんな電力の大石英司社長

申請に基づいて、2020年3月分と4月分の電気料金の支払い期日をそれぞれ1カ月間伸ばすことができるという。これまで電気代の滞納があったユーザーは含まれない。

電気は生活や事業を支える基本的なインフラであるため、経済産業省は電力会社に支払い猶予の協力を求める通達を出していた。

同社の大石英司社長は「新電力の担当部署から提案があり、即決した」という。

「実は私も学生時代に生活が大変で電気を止められたことがある。いま飲食店や美容室などを営む事業者は、かなり厳しい状況に置かれている。困っていたら助けるのは当たり前。特別なこととは思っていない」と話した。

今回の措置は「電気代は気にせずに事業運営に専念してほしいというメッセージを込めた」という。同社が販売する電気は、自然エネルギー比率75%以上と、国内の電力会社では最も高い。同社の社会性に共感して大手電力会社から切り替えた事業者が多く、「信頼関係は構築済みだ」と大石社長は話した。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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