日本にもできるか 緑の党

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グリーンハーツ・キャンペーンの様子。候補者は膝詰めで有権者と対話する。

4月の統一地方選に向けて、環境配慮や共生など持続可能な社会の実現を公約に掲げて立候補を表明した地方議会議員候補者を応援する動きが目立ってきた。福島第一原子力発電所の大事故を受けて原発への懸念が広がる中、脱原発・自然エネルギーの拡大を公約に掲げる欧州各国の緑の党の理念や政策が有権者に広がり、日本でも緑の党を創設する動きにつながるかどうか注目される。

キーワードは「エコロジー」「公正」
このうち、「グリーンハーツ・キャンペーン2011」<http://www1.to/greenhearts2011>は、主に環境分野で活動するNGOのリーダーや活動家有志ら個人が集まって発足した。4月の統一選に立候補を表明している人々の中から、グリーンなハートを持ち、持続可能な社会のビジョンをもつ首都圏の地方議会議員立候補予定者を政策や政治信条から抽出。アンケートと面接を通じて選抜し、首都圏の地方議会議員立候補予定者5人をキャンペーン応援対象候補「グリーン・キャンディ(グリーンな候補者)」として最終決定した。

 グリーン・キャンディたちは、世界の緑の党が共有する基本政治原則である「グローバル・グリーンズ憲章」を共有している。具体的には、以下の6つだ。

1、持続可能性
地域の開発誘致や経済発展を優先するのではなく、人々の居住環境と地域の自然環境を破壊から守る

2、多様性
出自や性別などの違いに起因する差別や暴力に立ち向かい、個々人の違いを個性として認め合う、リベラルな地域社会を目指す

3、社会的公正
低所得者、高齢者、障害者など、社会的弱者が大きな負担を強いられない公正な制度づくりに努力し、地域での貧困格差の解消につとめる

4、自己決定
特定の利益団体や業界の意向を優先するのではなく、そこに住む働く最大多数の個人の意思が行政に反映される仕組みづくりを目指す

5、共助共生
行政の一方的な主導の下ではなく、市民同士が自らの意志で助け合い、自発的に協力し合える地域づくりを目指す

6、生活の質
地域に住む人たちが心身ともに不自由なく暮らせる健康的な生活の質の実現を最優先する

 キャンペーンでは、この6つの理念を反映した公約に掲げるグリーン・キャンディたちを側面支援しながら、グリーンハーツの理念や政治信条を有権者に訴えていく。

選挙スタイルにも変化
街頭キャンペーンの形式も、これまでにないスタイルを取り入れている。参考にしたのは、欧州での対話中心の選挙スタイル。駅前や広場でパラソルを広げて案内スポットを設け、候補者と有権者がじっくりと対話する。候補者たちは、日本の選挙活動ではおなじみの街宣車、スピーカーを使っての名前の連呼や演説は行わない。

 今回グリーン・キャンディとなったのは、東京都小平市のわたなべともあきさん(40)、東京都杉並区のそね文子さん(43)、千葉市稲毛区の金田ゆきさん(31)、東京都世田谷区のてるや里美さん(45)、千葉市中央区の木村ゆう子さん(43)の5人。いずれも30—40代の働き盛りの年代ばかりだ。

 小平市議会議員選挙に出馬予定のわたなべさんは、家庭教師として多くの学生を指導しながら、難病・自閉症・学習生涯の子どもの学習支援にも取り組む。前回選挙に出馬するも、175票差で惜しくも次点。わたなべさんは「議員定数と報酬の削減、情報公開のあり方の見直しなどを通じた議会改革に取り組みたい。これによって、教育予算の増加につなげたい」と意気込む。

 キャンペーン事務局長で政策ネットワーク「エコロ・ジャパン」代表の今本秀爾さんは「どの既存政党も、持続可能な地域社会を作り上げるための統合的な政策を打ち出していない。この貧相な政治的現状を地域から変革するモデルをつくりたい」としている。

震災後に関心高まる
 政治団体みどりの未来(東京都杉並区)<http://greens.gr.jp/>も、環境配慮や共生に基づく街づくりの発想への共感の輪を広げるキャンペーン「エコでフェアな未来を自治体から!共同宣言」を展開している。宣言に賛同した約80人の現職議員や立候補予定者が、4月の統一選に挑む。

 みどりの未来は、緑の党の政治理念に共感する無所属の地方議員ネットワークと、緑の党の設立を目指していた団体が合流して2008年に発足した。大震災後には、原発の全面停止に向けた緊急宣言を求める声明を発表。大震災発生以降、メールマガジンへの登録や団体への問い合わせが増えているという。運営委員長の漢人あきこさん(東京都小金井市議)は「脱原発の路線は正しかったと実感している」と話す。

  欧州では、2009年の欧州議会選挙で会派「欧州緑の党」が議席を伸ばし、大震災を受けて原発政策が最大の争点となった3月27日の独バーデン・ビュルテンベルク州議会選挙でも緑の党が躍進した。未曾有の原発事故に直面した今回の大震災を機に、日本でもいよいよ本格的な緑の党が創設されるのか―。4月の統一選がその試金石となることは、間違いない。(オルタナ編集部 木村麻紀)

2011年4月1日(金)16:07

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