【ドイツ=田中聖香】ドイツの各テレビ局も早朝から「ビンラディン死亡」をトップニュースで報じた。メルケル首相は、「平和の力が急襲作戦を成功させた。しかしテロとの闘いはまだ終わっていない。今後も気を緩めるべきではない」と述べた。
ギド・ヴェスターヴェレ外相は、ビンラディン死亡を「平和を愛し、リベラルに考える全世界の人々にとって良いニュース」としながら、報復テロの可能性は否定できないとコメント。また、アフガニスタンでのドイツ連邦軍駐留を継続する意向も明らかにした。
また、ハンス=ペーター・フリードリヒ内相は、「ドイツ国内でのテロの危険が(ビンラディンの死亡を機に)直接高まったという根拠はない。しかし、ヨーロッパのイスラム過激派は独立して活動している。攻撃リスクは依然として高い」と声明を出した。駅・空港などの警備態勢は当面、現状を維持する。
ドイツでは4月30日、アルカイダの指令で爆発物を製造し無差別テロを計画していた疑いでデュッセルドルフとボーフム在住のモロッコ人ら3人が逮捕されたばかり。国内には、アフガニスタンなどで訓練を受けたドイツ国籍のイスラム過激派が潜伏するとされている。
一方、フランクフルト証券取引市場ではビンラディン死亡報道を受け、ドイツ株価指数(DAX)が2日午前中、一時最高1,1%上昇し7600,41ポイントを記録、2008年1月以来の高値となった。