「原発推進の国策を曲げた菅首相に感謝」

菅直人首相が浜岡原発停止要請を出したのを受け、地元・静岡県にある環境市民団体「プラムフィールド」の馬場利子代表は5月7日、「原発は国策で進められていたため、一企業である中部電力に原発を停めさせることは困難だった」とその難しさを振り返るとともに、首相の要請について「国策を曲げるという英断をしてくれた」と評価した。オルタナSの電話取材に応じた。

また、馬場氏は「停止済みの浜岡原発1、2号炉も、福島第一原発のように冷却機能が損傷すれば、放射能が漏れる可能性がある。東海地域から、核燃料を移動させることが重要」と指摘した。

プラムフィールドは浜岡原発停止に対する53.851件の署名を集め、4月12日に中部電力に提出、エネルギーシフトを訴えてきた。6月11日は浜岡原発で反対運動のフェスティバルを行うが、「震災後に問い合わせが増えた若者や、原発の基礎知識を求める方々に向けて専門家による分科会を開催する予定」(馬場氏)という。

今後の活動については「今は脱原発を訴えていますが、それは一過性のものとし、私たちは安心で安全な暮らしを求めており、省エネ省資源のライフスタイルに向けた活動は20年間続けています。湯水のように電気を使う今の生活を見直し、若い方たちと一緒に新しいライフスタイルを考えていきたい」と述べた。

首相から要請が出された背景には、市民による「脱原発」の声があることは間違いない。浜岡原発が止まることで、「民意が国策を変えることができる」と証明されれば、これまで声が届かなかった国民の意思表現も劇的に変わるかもしれない。(オルタナS 殿塚建吾)

プラムフィールドHP http://www.geocities.jp/plumfield995/

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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