柔らか防潮堤、千鳥配置で津波を弱める

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千鳥配置の柔構造防波堤。特許を出願中だ(画像提供:竹中工務店)

津波の大きな力に抵抗するのではなく、しなりながら受け流すことで波の力を緩める新発想の防潮堤が開発中だ。竹中工務店は6日、環境シンポジウム「東日本大震災を受けて、今、私たちが提案・提言できること」で同案を発表した。

シンポジウムに際し、海外含めた全社内から166の提案が寄せられた。パネラーの小泉雅生氏(首都大学東京都市環境学部教授、建築家)、伊香賀俊治氏(慶応義塾大学理工学部教授)、三浦展氏(カルチャースタディーズ研究所)らが、社内の選考会で選ばれた15案からさらに5案を選考した。復興の仕組みやまちづくり、防災技術など5つのカテゴリー別に提案者が発表を行い、パネリストと意見を交わした。

中でも注目を集めたのが、タイ現地法人のチームによる柔構造の防潮堤案だ。従来の堅牢かつ剛構造のコンクリート壁で大きな力に耐えるのではなく、根元のみを海中で緊結し、上部を浮構造とすることで波に追従しながらその膨大な力を吸収して弱めるというもの。

それを千鳥配置することで、それぞれの防潮堤が集めた波の力を互いに封じ込めることができるとの予測もある。課題もあるが技術的には実現可能で、すでに特許出願済みだという。素材や工費は検討中だ。波動発電や魚礁機能を組み合わせることも可能で、景観的にも従来の防波堤より美しくなるに違いない。

その他、子どもを復興に参画させるカリキュラム、都市インフラとコミュニティを合わせて考えるなど、ハードだけでない社会的な提案も共感を集めた。三浦氏は巨大投資の有効性を懸念し「若い人が増えないと復興ではない」と指摘する。柔軟な発想が魅力ある地域づくりにつながることに期待したい。(オルタナ編集部=有岡三恵)

 

2011年7月7日(木)12:00

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