被災者を債務から救え、広がる署名運動

このエントリーをはてなブックマークに追加

「既存債務からの解放を求める緊急請願書」署名用紙

東日本大震災では、多くの人が一瞬にして全財産を失った。津波で流された住宅や車のローンの返済が重く、生活再建のめどが立たない人もいる。被災者と向き合う弁護士らが、債務からの解放を求める請願書を作り、署名を集めている。

署名を集めているのは、仙台弁護士会(森山博会長)。6月15日に「東日本大震災の被災者が抱える既存債務からの解放を求める緊急提言」を発表した。困窮する被災者の声を国会に届けるため、緊急請願書を作成し、「被災者に希望の光を、被災者のローンをなくそう」と呼び掛けた。全国の弁護士らの協力で署名運動は全国に広がった。

日本弁護士連合会(宇都宮健児会長)は、4月22日に「東日本大震災で生じた二重ローン問題などの不合理な債務からの解放についての提言」を発表。また、兵庫県弁護士会(笹野哲郎会長)は、6月23日に出した「東日本大震災の被災者が抱える既存債務からの解放を求める会長声明」の中で、強い思いを込めて「阪神淡路大震災における過ちを繰り返してはならない」と述べている。

政府は8日、被災企業の債権を金融機関から買い取る公的機構を新たに設置する案を示した。破産手続きを必要としない「個人向け私的整理ガイドライン」の策定も進めるという。しかし、全ての被災者を対象とした早期救済策になるかどうかは、まだ不透明だ。

仙台弁護士会の野呂圭弁護士によると、震災関係の電話相談の1~2割が債務の悩み。「災害で使えなくなった物のローンだけが残る苦しみからの救済が必要」と、署名活動の成果に期待する。

各地の弁護士会などがまとめた署名の集約はこれからだが、仙台には既に約1万筆が集まっている。締め切りは15日。署名用紙は同会のホームページにあり、個人でも郵送で参加できる。(オルタナ編集部=瀬戸内千代)2011年7月11日

 

2011年7月11日(月)11:37

alternaショップ
ページの先頭に戻る↑