経済成長無ければ、幸せになれないのか

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山崎氏が総合振興計画に携わる島根県の日本海沖 60 kmに浮かぶ隠岐諸島の島、海士(あま)町に話は及ぶ。経済成長期に道路などのインフラは整備されたものの、高齢化率 38%、高卒のほとんどが島外へ流出するという問題を抱えていた。同町は、公共事業への依存をやめ、豊富な海産物のブランド化産業を振興し、UIターン者を積極的に受け入れる方針を打ち出した。その結果、今では人口約 2千500人のうち I ターン人口が約250人と一割を占めるという。

都会人が求める広い家や安全で新鮮な食が、島では安価で手に入る。キャッシュフローのみで経済成長を測る矛盾がそこに生じる。数値化されない暮らしの豊かさ、地域社会のネットワークや地域文化を成熟させることの重要性を藻谷氏は強調した。都会の会社を辞めてIターンしても十分に幸せな暮らしができる地域の蓄積があることが、社会のセーフティネットワークにもつながる。

戦後日本は、経済成長の中で平均的な幸せを求めてきた。しかし「島の幸福と都会の幸福は異なる」(山崎氏)のだ。従来の経済指標では測定できない地域社会の多様さこそが、この国を豊かにするのかもしれない。(オルタナ編集部=有岡三恵)

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2011年7月15日(金)11:24

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