花でつながる復興支援「ひまわりプロジェクト」

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苗の贈呈式の様子。雨の中で200人もの人が集まった

市民が育てたひまわりの苗を東日本大震災の被災地に贈り、被災者が育てる活動「ひまわりプロジェクト」が行われている。7月初旬から宮城県各所で、人々の願いを込めたひまわりが花を咲かせた。花で生まれた人々のつながりの深まりに加えて、被災地の緑化、心の癒しなどの効果を期待する取り組みだ。

名取市の「美田園花の広場」(みたぞの)で、7月末からひまわりが咲いている。直径20メートルの花壇に約1000株のひまわりの苗が植えられ、花が咲きつつある。近くの美田園第二仮設住宅に暮らす人びとが育てた。種から苗まで育てたのは、関東一円で被災地を支えようと参加した数千人の人々だ。

「一生懸命育てます。皆さんの思いやりに感動しています」。6月末に行われた苗の贈呈式で、区長の桜井久一郎さんはあいさつした。この仮設住宅に住むのは、震災で津波を体験した人々だ。参加した人は、誰もが嬉しそうだった。仙台市ではこのプロジェクトを通じて12の小学校にひまわりの苗や種が届けられた。その数は約3000株になる。

ひまわりプロジェクトは、東京の丸の内や大手町の街づくりをするNPOのエコッツェリア協会が4月に開催した「コミュニティアクション for 東日本大震災」というミーティングがきっかけで誕生した。フラワービジネス大手の日比谷花壇の越智正夫さんはここで呼びかけた。

「私たちが種を提供します。花を育てて被災地に送りませんか」

その呼びかけに「私たちが育てます」「協力させてください」と即座に多くの反応が参加者からあり、提案が具体的な形になった。

西松建設は2年間の長期にわたり土地を無償で貸し出し、そして花壇を制作・提供した。東京大学では留学生を中心にひまわりを育てるサークルが生まれ、キョーリン製薬グループは企業で苗を育てることに協力した。活動の中心になった東京大学東洋文化研究所職員の池田恭子さんは「国籍、年齢を超えて、花が人々を結びつけたことが嬉しかった」と話す。

日比谷花壇が中心となる「ひまわりプロジェクト実行委員会」では、ひまわり以外にも、季節ごとの植物による環境作りの活動を地域の人々と共に続ける意向だ。「花で被災地がいっぱいになれば、人の心が和み、つながりが生まれます。それが被災地を支える力になると思います」。日比谷花壇の越智さんは期待する。

津波の被害が残る名取市沿岸部

人びとの善意の輪が、被災地を支え、広がり始めている。この取り組みが花とともに育ち、それが復興を支えることを信じたい。(オルタナ編集部=石井孝明)

2011年8月3日(水)9:45

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