東北で起業相次ぐ、人の交流がカギに

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雄勝町の海と海産物(「合同会社OHガッツ」 HPより)

東北で自立的な経済復興を目指す起業が増加中だ。業種業態は多様だが、共通するのは被災者と支援者が共に新規事業を志す姿だ。牡蠣やタコなど特産品を生かした事業で、被災地の雇用創出を目指す。

■ 牡蠣、帆立など「そだての住人」募集――雄勝町
宮城県の牡鹿半島にある雄勝町では8月、漁師による「合同会社OHガッツ」が設立された。牡蠣・帆立・ホヤ・銀鮭の養殖や加工・販売を主な事業とし、将来は水産業とレストラン、観光業のリンクも目指す。支援者がかかわることで、より外に開く企業アイデアが生まれたという。

震災前は約4300人だった人口が、津波被害と避難生活のため約1000人となった雄勝町。まちにつながる人を増やそうと、養殖プロセスを見守り収穫に参加できる「そだての住人」を、一口1万円で同社は募集中だ。

9月18日には牡蠣の稚貝を海に導くイベントを予定。「雄勝と共に海産物を育てていきましょう」と同社の伊藤浩光氏は新たな「住人」を歓迎する。

■「ゆめ多幸鎮 」で雇用も創出――南三陸町
南三陸町の人気キャラクターグッズ「オクトパス君」は工場が津波で流されたが、大正大学などの支援をうけ「ゆめ多幸鎮(たこちん)」として復活。現在、同大学とまちの有志が結成した「南三陸復興ダコの会」が制作・販売を行う。この事業によって約10人の雇用が生まれた。

「復興には自立が必要。仕事をつくり、経済循環するまちの生態系を取り戻したい」と同会事務局の阿部忠義氏は語る。

■ ものづくりで魅力あるまち――石巻市
石巻の中心市街地でものづくりの拠点を目指すのは、今夏設立した「石巻工房」だ。東京の建築家・芦沢啓治氏を中心に、ハーマンミラー社や多くのデザイナーが協力し、家屋の修理や木工で支援活動を続ける。

石巻の通りに置かれた木製ベンチで憩う人びと

7月には石巻工業高校の生徒と共に木製のベンチを制作し、市内の空地や通りに憩いの場をつくった。大漁旗の伝統を生かしたテキスタイルなど、女性の雇用拡大も目指す。

「5〜10年かけてじっくり石巻の魅力をつくる」(芦沢氏)ため、今後はデザイナーによるワークショップを行い、まちとコラボしながら石巻のものづくりを進める意向だ。

多様な人のかかわりで、雇用創出やマーケット開拓の可能性が広がっている。(オルタナ編集部=有岡三恵)

2011年8月26日(金)10:19

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