「津波に強い木」もデータベース化

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津波に破壊された気仙沼市の海岸

津波や水害に対する防災機能を、どんな植物が備えているかがわかるデータベースが、ネットを通じて無償配布されている。作成した富山県朝日町の学習塾経営、野沢俊哉さん(49)は「被災地の復興や新たな防災計画に役立てて」と呼び掛けている。

野沢さんは農業大学を卒業後、学習塾を経営するかたわら20年ほど前から資料や文献を集めて植物のデータベースづくりに取り組んできた。

データベースは主に造園計画で扱われる植物598種について、生息域や樹高、開花時期などの特性を約40の文献と照合して整理。阪神・淡路大震災後に注目した「都市火災の延焼遮断林」や「耐潮性」などの防災機能の有無も盛り込んでいる。ただし、津波に対する耐性は文献が『造園ハンドブック』の一冊しか見つからず、これまでは掲載してこなかった。

今回、東日本大震災での津波の甚大な被害を受け、文献にある「津波の被災度緩和林」の項目をデータに加えた。イヌマキやウバメカシ、クスノキなど、根をしっかり張る常緑樹を中心に63種類が挙げられている。

震災後は「防災計画にも有効な生物多様性植物データ」として無償提供を呼び掛け、復興関係者らにも注目され始めた。10月30日に名古屋大学で行われる造園学会中部支部大会で、データについて発表する予定だという。

野沢さんは「今回の震災ではコンクリート製の防波堤に限界があることがわかった。植物による樹林帯は洪水や津波の破壊力を吸収、緩和する機能があり、老朽化することもない。再びコンクリートの防波堤で固めてしまえば、陸と海とのつながりが断たれ、生物多様性もなくなってしまう。このデータベースを参考に、地域にあった植物を選んで復興や防災計画に役立ててほしい」と話す。(関口威人)

 

データはEXCEL、WORD形式で容量は計約1.7MB。問い合わせは野沢さんのメールnpmwy569@ybb.ne.jpへ。

2011年9月9日(金)2:21

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