環境問題に取り組む社会起業家を表彰する「E-idea(イーアイディア)」コンペティションの授賞式が21日、開催された。スタートアップ賞には、ポータブル発電機を開発中のプロダクトデザイナー・柳澤郷司氏らが選ばれた。受賞者には、最大60万円の賞金が贈られるほか、海外研修で世界の起業家や専門家と交流する機会も提供される。
イーアイディアコンペティションは、英国の国際文化交流機関であるブリティッシュ・カウンシルと、ロイド レジスター クオリティー アシュアランス リミテッド(LRQA)が共同で実施している。2度目となる今回は、環境問題を解決する革新的なアイデアで起業を目指す人を対象にした「スタートアップ賞」(賞金40万円)と、既存のプロジェクトをさらに発展させたい人を対象にした「ステップアップ賞」(賞金60万円)の二つの賞を設けた。
スタートアップ賞では、ポータブル発電機「サイクラス」を開発している柳澤郷司氏や、岡山県美作市で農山村の活性化に取り組む東大史氏(エコブランド代表)ら3人が受賞。ステップアップ賞では、前回のグランプリで、竹食器のブランディングやデザインを行うファンファンの藤岡恒行氏ら3人が受賞した。
柳澤氏が開発中のサイクラスは、長さ20センチ程度、重さ500グラム未満で、ペットボトルより持ち運びやすい大きさだ。本体下部をねじると、巻き上げられたゼンマイが歯車群を駆動させ、モーターで発電できる仕組みである。25秒ほどねじるだけで、携帯機器を充電できる。まだ試作段階だが、賞金を元手に市販に向けて開発を進めていきたいとしている。(オルタナ編集部=吉田広子)