NYで素通りした野田首相に失望

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「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」世話人の佐藤幸子さん

「福島の子どもたちを守れないで原発の安全を世界中に言うなんて卑怯だ」

22日、ニューヨークの国連本部で開かれた原子力安全首脳会合に出席した野田佳彦首相に、日本語で強烈な訴えを投げ掛ける女性がいた。福島県川俣町の農家で「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」世話人の佐藤幸子さんだ。この日に合わせ日本から駆け付けてアピールしたが、終始デモには目もくれず通り過ぎた野田首相に失望の念を深くした。

25日、日本に帰国した佐藤さんは「道路を挟んで反対側から野田首相に向かってハンドマイクで叫びました。聞こえていたはずだけれどこちらのほうを向くことはなく、かなり失望しました」と悔しさをにじませる。

ただ、一緒にデモに参加した地元の市民や議員、米国在住の日本人などには訴えを理解され、一定の手応えは感じられた。原子力規制委員会の関係者からは、米国として除染のノウハウを日本に伝える用意があると言われた。「あくまで日本政府の要請があればということでした。こうした方向でより一層、政府に訴えなければ」。佐藤さんは気を焦らせる。

今回は米国の環境団体の招きで渡米し、各地で講演会などを通じて福島の現状を伝えた。「去年と何も変わっていない美しい福島の風景の中に、確実に放射能は存在しています。農民が農地を捨てなければいけないこのつらさがわかるでしょうか。安全な原発は一つもないのだということを学んでほしい」などと訴え掛け、参加者の共感を誘った。

佐藤さんに同行した環境団体グリーンアクションのアイリーン・スミス代表は「野田首相は日本国内で言っていることと国連で言っていることが一致しません。日本が福島から学び、脱原発へ向かうと世界に向けて宣言することが、日本が世界にあげられるプレゼントだったのに、最大の機会を失い残念です」とコメントしている。(オルタナ編集委員=奥田みのり、関口威人)

2011年9月27日(火)10:16

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