ローカルこそ強み、鹿児島弁でアフリカンポップス――ミュージシャン・サカキマンゴー

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9月4日発売の4枚目となるCD『oi!limba』(サカキマンゴー&リンバ・トレイン・サウンド・システム)。鹿児島民謡をラテンでアレンジした「茶わんむしのクンビア」ほか、ラップ曲「IOTOI」も収録

音楽シーンの東京偏重は、街や野の風を感じさせない規格品の音の氾濫でもある。この閉塞感に風穴を開けるのが、サカキマンゴーによる地域復権のポップスだ。

「魚取いけ行っどっちどこん海?」(魚取りに行くって どこの海だ?)

ラップのこの曲は鹿児島弁。題名「IOTOI」は、魚取り(いおとい)の意味だ。サカキはアフリカンポップスをベースに、ダブ、レゲエなど、さまざまな音楽の要素をミックスする。

これまで日本人のワールドミュージックの多くが、無国籍風という東京文化に根ざしたものだった。サカキが異なるのは、鹿児島県揖宿郡頴娃町(現・南九州市)出身というディープサウスの出自を大切にしていることだ。アフリカのスワヒリ語と共に、彼は鹿児島弁でも歌う。標準語の平板な語感ではなく、鹿児島弁特有の抑揚の強い音のうねりを生かし、彼は「日本語」に強いグルーヴ感を与える。その語りは耳に心地よい。

サカキマンゴー。彼が手にしているのはジンバブエのムビラ

サカキのもう一つの武器は伝統の新しい解釈。彼が奏でるのはアフリカの民族楽器、親指ピアノだが、ときに電気的に増幅し、エフェクトもかける。要はエレキギターだ。心情をダイレクトに伝えるこの奏法は、今という時代の空気を伝える。

サカキマンゴー&リンバ・トレイン・サウンド・システムのライブ風景。ジミヘンばりの寝ころんでの親指ピアノ演奏など、パフォーマンスもすごい!

近年ヨーロッパでは、バスク人など少数民族がアラブ移民と共に、反グローバリズムの新しいポップスシーンを作り上げている。サカキの新しい表現は、そうした地域と少数文化発信の世界のうねりとも連動している。(アライ=ヒロユキ)


サカキマンゴー公式ホームページ

メタ カンパニー。こちらでもCD発売。

2011年10月6日(木)10:00

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