国の除染、年1ミリシーベルト以上で

文部科学省が公表した放射性セシウムの沈着量の分布地図

東京電力福島第一原発事故で拡散した放射性物質の除染について、有識者らでつくる環境省の合同検討会は10日、年間の追加被曝量が1ミリシーベルト以上となる場所を除染対象地域とするなどの基本方針案を決めた。11月上旬に閣議決定される見通し。

年間被曝量が20ミリシーベルト未満の地域の場合、2013年8月までに被曝線量の半減をめざす。また、20ミリシーベルト以上の地域では迅速に除染作業を進め、対象範囲を縮小するとしている。

ただし、事故後に放出された放射性物質による現在の空間線量の大半は半減期が約2年のセシウム134とみられ、予想される被曝線量は2年後には自然にほぼ半減するとみられる。このため、今回の基本方針案に従えば、大部分の地域では実際には何も除染作業が行われない可能性もある。(オルタナ編集部=斉藤円華)2011年10月11日

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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