3・11を機に移住したNGO夫妻

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東日本大震災にともなう東京電力福島第一原発事故をきっかけに、九州に移住した家族の話を聞く集まりが14日夜、都内で開かれた。妻と夫がそれぞれNGO代表を務め、移住して間もなく第3子を出産したという2人は「子供に導かれて九州に来た。全てが都市に集中している仕組みを変えたい」と話した。

■「東京では命が守れない」

「ポスト311を創る~子どもについていこう!」と題して開かれたこの集まりは環境文化NGOのナマケモノ倶楽部が主催。同会の共同代表を務め、フェアトレード商品を扱う「スローウォーターカフェ」代表でもある藤岡亜美さんと、夫でNPOトージバ代表の渡邉尚氏は東電原発事故直後に九州に向かった。

「ポスト311を創る~子どもについていこう!」で語る渡邉尚氏と子供(左)、藤岡亜美さん(中央)。右は聞き手の辻信一氏

臨月を迎えていた夫妻にとって「どこで産むか」は切実な問題。藤岡さんが「買い占めでコンビニが空になる都内の様子を見てショックを受けた。東京に戻ったら命が守れない。命に導かれて九州に来た印象がある」と当時を振り返ると、渡邉氏も「生まれる場所と死ぬ場所は大事にしたかった。田舎暮らしをする場合、男が主導するとうまく行かないことが多いが、今回は女が決めた」と笑いを交えて応じた。

■「自分たちの生き方変えたい」

夫妻は現在、宮崎県串間市内の限界集落に暮らす。海に面し山林も広がる現地だが、東電原発事故の影響で中止されたものの、原発誘致の是非を問う住民投票が行われる予定だった。

移住の過程で「命を優先できない社会の仕組みが見えた」と語る藤岡さんと「自分たちの生き方を変えない限り、自然開発や原発計画は続いていく」と3・11以後を模索する渡邉氏。夫妻は今後、地元に伝わる森林との共生の文化に学びながら、地域を単位とした持続可能な農的くらしの実践や、空き家などの地域資源の活用などを行いたいと考えている。

集まりには約20人が参加。その中の一人は「3・11以前の暮らし方は終わった。これからどんな生き方を選ぶか、気持ちを持って判断する時が迫っていると思う」と感想を語った。(オルタナ編集部=斉藤円華)2011年10月20日

2011年10月20日(木)15:28

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