原発再稼働、国の安全確保に地方は不安?

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運転停止中の中部電力浜岡原発 (Wikimedia Commons.)

全国の原子力発電所が4月にも全て運転を停止する可能性が濃厚となる中、原発を抱える自治体の首長による再稼働への言及が相次ぐ。4日には福井県敦賀市の河瀬一治市長、鹿児島県の伊藤祐一郎知事が国の安全確保を条件に再稼働を容認する意向を示す一方、静岡県の川勝平太知事は中部電力浜岡原発について「防波壁ができても他の問題が解決されるわけではない」と早期の再稼働には慎重だ。

現在、全国で運転中の発電用原子炉は54基中6基のみ。昨年の東京電力福島第一原発事故を踏まえて、政府は電力会社に対して原発の安全余裕度を確かめる「ストレステスト」を課している。停止中の原発の再稼働には、ストレステストの審査を経た安全確認と地元自治体の合意が必要だ。

敦賀市は日本原電敦賀原発、鹿児島県は九州電力川内原発を抱える。いずれの首長も「国の『大丈夫』というお墨付きがあれば再稼働してもいい」(河瀬市長)、「国が安全性を確保した上で再稼動せざるを得ない」(伊藤知事)として、安全確保を全面的に国に依存した形だ。

その一方で、川勝知事は県防災・原子力学術会議を設置して浜岡原発の安全対策を県独自に検証し、その結論を重視する姿勢を崩さない。また、東京電力柏崎刈羽原発がある新潟県では泉田裕彦知事が「福島第一原発の検証が先だ」として、ストレステストを通じて早期の再稼働を図る政府の方針とは明確に一線を画する。

こうした自治体の温度差からは、これまで安全神話を唱え続けてきた政府の原子力安全行政への不信感が伺える。

4月に発足予定の「原子力安全庁」はほとんどの人材を旧来の態勢から引き継ぐ。5日の東京新聞朝刊は、原子力安全行政を担う人材や技術を電力会社や原発メーカーに頼る体質が温存される点を指摘し「テスト前に、先生が生徒に問題を教え続けているようなもの」と厳しく論評した。(オルタナ編集部=斉藤円華)2012年1月5日

2012年1月5日(木)13:19

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