政府の対応めぐり米専門家が指摘――国会原発事故調で

福島第一原発3号機(東京電力広報資料から引用)

東京電力福島第一原発事故の経緯や原因を検証する国会の事故調査委員会は27日の会議で、米国原子力規制委員会(NRC)のリチャード・メザーブ元委員長氏を参考人として招き、今回の事故をめぐる日本政府の対応などに対する氏の見解を聴取した。

メザーブ氏は「事故時の判断や責任は、専門的な技術や知識を持つ事業者にあるべき」と指摘し、原子炉から気体を逃がす「ベント」の指示を当時の菅直人首相が行ったことに対して「米国では考えられない」と語った。

事故発生時、首相官邸がみずから収拾の陣頭指揮を行った事に対して、一部専門家は事故直後から「大本営が最前線で戦闘を行っているようなもの」などと指摘し、その実効性に疑問を呈していた。黒川清委員長は会議後にコメントを発表し「発電所の操作・運営に政治家の判断を仰がねばならない状態は避けるべきであり、責任もあいまいになる」とした上で、規制機関の役割について「事業者や政治から独立を確保し、(安全規制の)責任を負わなければならない」との考えを示した。(オルタナ編集部=斉藤円華)2012年2月28日

国会事故調 動画中継

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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