Qセルズ、独ソーラーで4社目の破産――買取り価格の削減と中国メーカーの攻勢で

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独ソーラーパネル製造大手のQセルズ社が4月3日、裁判所に破産を申請した。昨年12月のゾロン社、今年3月のソーラーハイブリット社、ソーラーミレニウム社に続く、太陽光発電関連会社4社目の破産となり、ドイツの太陽光発電産業は厳しい局面に立たされている。(ドイツ・ハノーバー=田口理穂)

Qセルズはソーラーパネルの製造会社として2007年には世界で同分野2番目の企業に成長した。現在、社員数は2300人。しかし2009年ごろから伸び悩み、2011年は8億ユーロ(800億円)以上の赤字を計上した。ドイツ国内での太陽光発電の買取り価格引下げに加え、安い中国メーカーとの価格競争が大きな打撃となった。

今回の破たんのもう一つの原因は、太陽光発電の買い取り固定価格の引き下げだ。

ドイツ連邦議会(下院)は3月29日、太陽光発電の買い取り価格を大幅に引き下げることを柱とした「再生可能エネルギー法」改正案を賛成多数で可決した。

4月1日以降に導入した太陽光発電は原則として、規模に応じて価格を約20~30%引き下げる。

政府は新規設置分を年間3500メガワットに抑えたい考えで、将来的には小型の太陽光発電では8割しか買取りされなくなる。

ノルベルト・レットゲン環境大臣は「ここ2年買取り価格を引き下げてきたが、それでも発電容量で1万5000メガワット分が新設された」と法改正を弁護するが、ドイツ企業が安い中国製に押されているのは事実だ。

連邦環境省によると、ソーラー事業の分野では、いまなお10万人の雇用がある。ドイツ機械設備製造組合の調査によると、下請けを含むソーラー関連事業者の83%が今年の第一四半期、昨年の同時期より仕事が減ったと回答した。今年は昨年比平均21.5%の減収を見込んでいる。企業の6割が人員削減を計画しているという。

そもそも固定価格買取り制度(FIT)は自然エネルギー発電への投資を増やし、産業を育成するのが目的だった。しかしソーラーメーカーの破たんが相次いだことで、同国の自然エネルギー市場は大きな転機を迎えた。今年7月に導入される日本版FITにも何らかの影響を及ぼす可能性もある。

補助金削減は時代に逆行し、せっかく伸びてきたソーラー産業をつぶすと批判を呼んでいる。日刊紙ヴェルトによると、2007年にはドイツのソーラー関連企業の株価の時価総額は230億ユーロだったが、現在は30億ユーロを下回っているという。

2012年4月4日(水)18:59

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