記事のポイント
- エコスタッフ・ジャパンは静脈業界への問題意識から処理事業者が連携し設立
- 「廃棄物に関する日本唯一の総合窓口」として20年以上活動する
- 業界水準の向上にも取り組み、ドライバーの高齢化によるリスク対応を学ぶ研修も
サーキュラーエコノミーへの注目度が高い一方で、その現場を担う静脈業界への関心は依然として低い。エコスタッフ・ジャパンでは業界の水準向上に取り組み、優良基準の策定などを行ってきた。直近もドライバーの高齢化によるリスクへの対策を学ぶ研修会を実施した。(エコスタッフ・ジャパン・代表取締役・田部 和生)

静脈業界は、厳格な廃掃法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)のもとで規制されており、処理企業は自治体ごとの許可や品目に基づき多様化しています。 そのため、優良企業の見極めが難しく、また現場を担う多くのドライバーは体系的な教育を受けないまま業務に従事しているという現実がありました。
この状況に強い疑問と危機感を抱いたことが、私たちの活動の原点です。
さらに、排出事業者が全国展開しているにもかかわらず、全国統一で対応できる窓口やサービスが存在しないことも、大きな課題でした。 こうした問題意識のもと、全国の処理事業者が連携し、業界の内部から立ち上げたのが当社です。
「全国どこでも安心・安全に」「廃棄物に関する日本唯一の総合窓口」として、排出事業者・処理事業者・行政・研究機関など、幅広い関係者の橋渡し役を担いながら、20年にわたり活動を続けてきました。
この間、業界の水準向上に資する取り組みを数多く展開してきたと自負しています。 たとえば、全国標準の優良基準を策定し、各地の処理企業を認定するスキームを構築しました。
研修会では実務担当者が学び合い、切磋琢磨する場を提供しています。
2025年11月には長崎県にてドライバー研修会を実施し、全国の静脈企業の運行管理者が集まり、「高齢者ドライバーの特性」について事故事例などの実例を含めた講義をうけ、ドライバーの高齢化にともなう様々なリスクに対応するすべを学びました。 グループワークでは点呼の有用性と工夫について活発に議論しました。
また、全国統一の優良基準を整備するため、営業担当向けの「セールス検定」、ドライバー向けの「ドライバー検定」を創設し、現在では合格者が1200人を超えるまでに至っております。
災害廃棄物処理においても複数の実績を重ね、平時・有事を問わず持続可能な処理体制の構築に努めております。
また、産官学の連携を重視し、省庁担当者による講演会・意見交換の開催、大学インターンの受け入れや講義など、学術面からの発展と次世代人材の育成にも力を注いでいます。
こうした長年の活動を通じて、業界横断的なネットワークと信頼関係を築いてまいりました。
現在の事業は、以下の4本柱を中心に展開しています:
- ネットワーク・教育研修事業
- 適正処理支援事業
- 調査・コンサルティング事業
- ソリューション事業
今後の連載では、各事業の紹介にとどまらず、現場で感じた課題や実際の事例などを、できるだけ生々しくお伝えしていきたいと考えています。
サーキュラーエコノミーなど概念的な議論が先行しがちな昨今ですが、日々の現場は、静脈業界の一人ひとりの担当者やドライバーによって支えられています。
これまで培ってきたネットワークを活かし、私たちの強みである「現場に近い」情報を、「客観的に」お届けしてまいります。



