「人手不足倒産」が初の400件超、建設や物流、介護で増加へ

サステナ経営塾22期上期バナー

記事のポイント


  1. 2025年の「人手不足倒産」が初の400件を超え、過去最多を更新した
  2. 建設業や物流業、老人福祉事業など労働集約型産業で倒産増加が目立つ
  3. 賃上げ機運が高まるなか、小規模企業を中心に経営の厳しさが増している

企業信用調査を手がける帝国データバンク(東京・港)は2月20日、2025年に人手不足を理由とする企業の倒産が427件にのぼったと発表した。「人手不足倒産」は3年連続で過去最多を更新し、年間で400件を超えたのは初めて。建設業や物流業、老人福祉事業など労働集約型の業種で増加が目立つ。(オルタナ編集部=川原莉奈)

企業の正社員・非正社員人手不足の割合 出典:帝国データバンク

帝国データバンクはこのほど、全国2万3859社を対象に「雇用過不足」に関するアンケート調査を実施した。その結果、正社員の人手不足を感じている企業の割合は、2026年1月時点で52.3%に達し、非正社員でも28.8%となった。業種別では、正社員では「建設」など7業種が6割を上回った。

一方、非正社員で6割を超えたのは「人材派遣・紹介」だけで、正社員に比べると改善傾向もみられた。背景には、DXやスポットワークの普及による生産性の向上があるとした。

こうしたなか、「人手不足倒産」が相次ぐ。2025年には427件発生し、年間として初めて400件を超えた。なかでも建設業や物流業、老人福祉事業など労働集約型の業種で増加が目立ち、人手不足が企業経営に直接影響を及ぼす実態が浮き彫りになった。

業種別に見た企業の正社員・非正社員人手不足の割合 出典:帝国データバンク

建設業では「仕事はあるが、人手不足で受注できない」との声も多く、人材を確保できれば増収が見込める企業も少なくない。だが、現役世代の高齢化や引退が進み、人材の確保は容易ではない。

賃上げ機運が高まるなか、採用や待遇改善に十分な原資を確保できない小規模企業も多く、正社員の人手不足の割合は今後も高水準で推移するとみられる。

人手不足は一過性の問題ではなく、持続的な対応が求められる段階にある。

kawahara

川原莉奈 (オルタナ編集部)

早稲田大学理工学部卒業後、大手自動車関連メーカーで7年間勤務。その後、「全く異なる世界を見てみたい」との思いからフリーランスに転身。ファッション・ライフスタイル系のWebメディアでデスク、エディター、ライターを務める。2023年からは、並行してNPO法人にてWebデザインや広報を担当し、社会課題への関心を深める。ライターとしてのモットーは「複雑なテーマを整理し、シンプルに伝えること」。

執筆記事一覧
キーワード: #人手不足倒産

お気に入り登録するにはログインが必要です

ログインすると「マイページ」機能がご利用できます。気になった記事を「お気に入り」登録できます。