記事のポイント
- 斗々屋は、ごみを出さない循環型小売りモデルのフランチャイズ事業を始める
- スーパーやコンビニ、カフェ、オフィスや工場内などを対象に、導入が可能だ
- 野菜やコメ、お菓子や洗剤などの量り売りによって、循環経済の実装を進める
斗々屋(京都市)は3月13日、ごみを出さない小売りモデルのフランチャイズ展開について事業構造を公開した。導入対象には、スーパーやコンビニなど既存店への量り売りスペースの設置をはじめ、地域拠点型のカフェや、オフィスや工場の福利厚生などを想定する。野菜やコメ、お菓子や洗剤などの量り売りによって、循環経済の実装を進める狙いだ。(オルタナ編集部=松田大輔)

環境省によると、2023年度のごみの総排出量は3897万トンで、東京ドーム約105杯分に上る。そのうち、家庭から出る生活系ごみは2712万トンで約70%を占めており、循環経済を実現するためには、家庭ごみを減らすリデュースの取り組みが重要となる。
家庭ごみを減らすために、スーパーやコンビニなどの小売り業には何ができるか――。この問いに答えようとするのが、21年から京都市で「ごみを出さないスーパー」を運営してきた斗々屋だ。野菜、果物、豆類といった食品のほか、液体の洗浄剤などが店内に並び、取り扱う商品は700品目に及ぶ。

通常のスーパーではプラスチックなどで包装された商品が並び、使用後は家庭ごみとなってほとんどが焼却処分される。それに対して、同社はリデュースに焦点を置いた量り売りの徹底によって、「ゼロ・ウェイスト(廃棄物ゼロ)」の小売りモデルを展開する。
この取り組みを全国に広めるために、同社は26年から本格的にフランチャイズ展開を始める。対象には、スーパーやコンビニなど既存店への量り売りスペースの設置をはじめ、地域拠点型のカフェや、オフィスや工場の福利厚生などを想定する。

量り売りには、寺岡精工(東京・大田)が開発した秤やレジを用いる。購入プロセスはシンプルで、例えば野菜を購入する場合、秤に商品をのせるとセンサーが感知する。画面に玉ねぎなどの候補が表示され、該当するボタンを押すとバーコード付きのシールが印字され、それを商品に貼れば購入できる。顧客は商品を入れる容器を持ち込むこともできるし、店頭に用意された容器を使うこともできる。

すでに量り売りは広まりつつある。同社の開業講座では600人以上がゼロ・ウェイストの小売りモデルを学び、このモデルを用いた小売り店は全国で150店を超えた。
包装や廃棄コストの削減などで、斗々屋・京都本店の売上高総利益率は40%を超える。同社の梅田温子社長は、「小売りが生き残るために、サーキュラーエコノミー(循環経済)の視点は不可欠」だと力を込める。

同社は量り売りのほか、リサイクル率の高いアルミ缶の活用を呼びかけたり、規格外で廃棄されている農家の野菜を買い取って離乳食やスープを生産して販売したりするなど、多様な取り組みを展開する。持続可能な小売りモデルの発信を軸に、循環経済の実装を目指す。



