なぜペットボトルの水平リサイクルが加速したのか

記事のポイント


  1. ペットボトルからペットボトル(P2P)への水平リサイクルが本格化している
  2. メカニカルリサイクルは天然資源由来のペットボトル製造と比べ63%のCO2が削減可能
  3. 高度な資源循環の実現には、自主的な生産者責任の実行が必要だ

ここのところ、ペットボトルからペットボトル(P2P)への水平リサイクルが本格化している。原料となる使用済みペットボトルをめぐって取り合いが生じるほどだ。

P2Pリサイクル技術には、2つのタイプがある。一つは、一旦モノマーに戻してから再重合するケミカルリサイクル。もう1つは、モノマーに戻さずにフレーク洗浄してペレット化するメカニカルリサイクルだ。この異なったタイプのリサイクル技術がしのぎを削って争っている。

筆者は最近、三重県にあるメカニカルリサイクルプラントを見学する機会を持った。使用済みペットボトルの処理能力が6万㌧、再生樹脂生産能力では4万5千㌧の規模という(ラベルやキャップなどの残渣による歩留まりがあるからこの差が生まれる)。

このプラントは、容器包装リサイクル法ルートとその他の事業系ルートの双方から使用済みペットボトルを集荷しており、稼働も順調のようだ。

メカニカルリサイクルの歴史は、20年近くさかのぼることができる。筆者はかつて栃木県にあるプロトタイプの工場を見学しており、メカニカルリサイクルによるP2Pリサイクル技術に注目していた。

なぜ自主的な拡大生産者責任が実現したか

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細田 衛士(東海大学副学長、政治経済学部教授)

東海大学副学長、政治経済学部教授。1953年生まれ。77年慶応義塾大学経済学部卒業後、同大学経済学部助手、助教授を経て、94年より教授。2001年から05年まで同大経済学部長を務めた。中央環境審議会委員や環境省政策評価委員会委員なども歴任した。

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