フェアトレード需要高まる、紅茶・コットンは前年比2倍に

記事のポイント


  1. 世界のフェアトレードに参加する生産者は前年比4%増となった
  2. 消費者の56%は物価高騰のなかでもフェアトレード商品購入の意思を示す
  3. 日本での市場規模も22年に前年比24%増、紅茶やコットンなどが寄与した

日本でもフェアトレード市場が拡大、紅茶やコーヒーなどの需要増が寄与した(画像はイメージ)

5月にフェアトレードインターナショナルが発表した数値によるとフェアトレードに参加する世界の生産者・労働者は2021年に200万人を突破した。中東、アフリカ、中南米、アジア太平洋のすべての地域で増加し、全体では前年比4%増となった。(認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパン事務局長=潮崎 真惟子)

取引価格に上乗せして支払われる地域開発の資金であるプレミアムは世界で2億ユーロを超え、前年比5%増えた。

グローバル調査会社グローブスキャンとフェアトレードインターナショナルが実施した消費者意識調査(世界12カ国。日本は含まない)では調査対象者の70%以上がフェアトレード認証ラベルを認知しており、そのうち86%が認証ラベルを信頼していると答えた。

生活費が上がっている中でも、フェアトレード商品によりお金を支払う意思があるとの回答は56%に上った。

フェアトレードインターナショナルのサンドラ・ウウェラ・グローバルCEOは「フェアトレードは依然として世界で最も信頼されている認証だ」と話す。

「世界的な生活費の急上昇により、消費者と生産者の両方が圧迫されているが、多くの人が依然として買い物をする際に倫理的配慮を優先していることをこの調査は示している」と説明した。

日本でもフェアトレードの市場は拡大している。22年の国内のフェアトレード認証製品の推計市場規模は195.6億円となり、前年比38億円(24%)の増加と過去最大の伸び幅を記録した。

■紅茶、コットンは前年比2倍に

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shiozaki

潮崎 真惟子(認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパン事務局長)

デロイト、オウルズコンサルティングにて企業・政府・NPOに対する事業戦略やサステナビリティ分野のコンサルティングや人権デュー・ディリジェンス事業に従事し、2021年より現職。「児童労働白書2020」執筆

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