記事のポイント
- キリンHDはSSBJに対応したサステナビリティ関連財務開示を行った
- 同社の開示義務は28年度からだが先行して行うことでCSV経営の透明性の向上を狙った
- 自社にとって重要なリスクと機会を短・中・長期の視点で国際基準に沿って分析した
キリンホールディングスは2026年3月27日、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)が策定した開示基準に準拠したサステナビリティ関連財務情報の開示を行ったと発表した。日本企業として初めて、日本語と英語による同時開示を実現した。グローバル投資家との対話を強く意識した先進的な取り組みだ。(オルタナ輪番編集長=池田真隆)

今回の開示は、有価証券報告書において実施したもので、SSBJ基準に基づきサステナビリティに関するリスクや機会を財務情報と結びつけて示した。
SSBJ基準は、国際的な枠組みであるISSB基準と整合性を持って設計されている。企業価値評価における非財務情報の重要性が高まる中、日本企業には2027年3月期から順次適用が義務付けられる。
キリンHDの開示義務は2028年度からだが、同社はこれに先立ち任意で開示を行った。こうした先行対応は、サステナビリティ経営の透明性を高めるとともに、投資家に対して建設的な対話を促すことにつながる。スコープ1と2の温室効果ガス排出量、「ガバナンス」と「リスク管理」の一部項目については第三者保証を取得した。
SSBJ基準の開示の中核は、自社にとって重要なサステナビリティ課題を特定し、それに伴うリスクと機会を短期・中期・長期の時間軸で整理した点である。同社は重要テーマを「アルコールの負の影響」「健康長寿社会」「人的資本」「人権」など7つにまとめた。
■重要課題の財務的リスクも短・中・長期の時間軸で算定した
■アルコール領域、長期的には事業構造の転換が不可避に
■サステナ課題を経営の意思決定プロセスに組み込む

