このところ林業界でブームと言えば、「再造林」である。言葉どおり、伐採跡地に再び造林をして次世代の木を育てることを指す。それというのも、山の木を全部伐る皆伐が推進される中、林野庁が全国の再造林率は3~4割に過ぎないと公表したからだ。つまり伐った後に植えずに放置する林業がまかり通っていることが分かってきたのだ。(森林ジャーナリスト=田中淳夫)
そこで、再造林を進めようと言われ始めた。再造林率を90%、いや100%をめざそうと林野庁や自治体は旗を振り、一部で条例の制定も進めている。
だが妙な話だ。そもそも皆伐する場合、伐採届には跡地を更新する手段を記入する欄がある。書かなければ受理されないだろう。再造林以外に天然更新、つまり自然に木々が生えるのを待つという選択肢もあるが、その場合は5年以内に木が生えてきたかどうかを確認し、未達の場合は改めて植栽するよう命じられると定めている。
つまり従来の規則を守らせれば再造林率は100%になるはずなのだ。だが現実は、本当に造林したか、天然更新できたか確認されることはまずない。書類上のチェックだけである。
再造林したと報告された山に行っても苗木は見当たらないとか、10年経っても草と低木しか生えていない山も珍しくない。植えたもののシカ等に食われてしまうケースもある。ようするにデューデリジェンス(確認)が欠けている。
また作業道を密に入れ、林業機械が走り回ったために土壌を傷めてしまい、土砂崩れを誘発することも多い。もはや造林が不可能になってしまっている。
■森林保全と林業の両立を

