国際NGOセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは7月24日、「1時間に1人の子どもがパレスチナ自治区ガザへの軍事攻撃で殺されている」と報告した。ガザでの地上戦が始まった 17日から事態は急速に悪化し、同団体は国際社会に対して、外交手段を用いた紛争の根本的解決を求めている。(オルタナ編集部=佐藤理来)
ガザへの軍事攻撃が始まってから3週間で、90の学校を含む避難場所が攻撃を受け、少なくとも7万人の子どもたちが家族とともに避難を余儀なくされている。市制インフラも被害を受け、水や食べ物の調達が非常に困難な状況にある。
セーブ・ザ・チルドレンは避難生活者のため、マットレスや衛生キットなどの配布を現地パートナーと協力して行っているが、必要数には全く追い付いていない。また、医療従事者はすでに超過労働の状態だ。また、避難民らは日々爆撃を受けていることで強いストレス環境にある。これらの専門的ケアを必要とする子どもは11万6000人に上る。
学校やインフラ施設の修復、子どもたちへの心理的ケアなど今後も取り組んでいく計画だが、ガザの人々はこうした緊急対応以上のサポートを必要としている。
セーブ・ザ・チルドレン現地駐在員のデビット・ハッセル氏は「紛争から何年もかけて取り戻した市制インフラや、子どもたちの情緒的健康が破壊されるのを目撃している」とコメント。ハッセル氏は、紛争の根本を解決しなければ、復興してもまた繰り返すことを危惧している。軍事攻撃の即刻停止と、長期的に有効な合意形成が切望される。