東京・代々木のカフェで一風変わった展示が行われている。家や家具の制作時に生じた廃材・端材を使った「椅子」の展示だ。この「104プロジェクト」では、端材を「天使のわけまえ」と名付け、これらを用いて作る椅子を「天使のコシカケ」として、制作・展示を行っている。(オルタナ編集部=佐藤理来)
104プロジェクト創始者の野木村敦史さんは、熟成中のウィスキーが蒸発で少し減ってしまうのを「天使のわけまえ」と呼ぶことに着想を得て、命名した。
天使のコシカケの仕組みは非常にシンプルだ。プロジェクトに賛同したメンバーが、各自思い思いの端材・廃材を集め、共通の「脚」を差し込んで作る。
ルールは廃材・端材を活用すること、「テンションシステム」という金属の脚を使うこと、この2点のみ。端材を丸く削ったり、着彩したりするデザイナーもおり、作品はとてもバリエーション豊かだ。
展示会やワークショップなどを通して共感を集め、2014年1月4日の創立時10人だったメンバーも、今では35人にまで増えた。建築、グラフィック、家具、プロダクトデザインや林業家など、異業種が集まる。展示会も今回で3度目となり、材料の幅も増えてきた。木材だけでなく、紙を使った椅子もある。
「細い短冊状の紙を集めて作った椅子など、廃材でもなければ入手が難しいものもある。こうしたところも面白さの一つ」(小林浩一さん)
展示は代々木駅から徒歩1分のダダカフェ内で10月18日まで。気に入った作品があれば購入も可能だ。
104project http://104project.com/#