記事のポイント
- 東京商工会議所は1月23日、「eco検定アワード2025」表彰式を開催した
- 具体的な環境活動に取り組む際の参考にしてもらうことを目的としている
- 大賞には、廃食油のリサイクルに取り組む植田油脂が選ばれた
東京商工会議所は1月23日、「eco検定アワード2025」表彰式を開催した。同アワードはeco検定合格者(エコピープル)から成る「エコユニット」の環境活動を広く周知し、具体的な行動を起こす際の参考にしてもらうことを目的としている。大賞には、長年にわたり廃食油の回収やリサイクルに取り組む食用油加工メーカーの植田油脂(大阪府大東市)が選ばれた。(オルタナ輪番編集長=吉田広子)
東京商工会議所は2008年から毎年、「eco検定アワード」を実施。エコユニットの優れた環境活動を顕彰し、広く周知することで、企業や生活者が具体的な環境活動を起こす一助としてもらうことを目的とする。エコユニットは、組織形態を問わず、エコピープル2人以上で組織できる。
鶴田佳史・eco検定アワード審査委員長は、「このアワードをきっかけに、環境問題を解決するより良い方法を広げていきたい。そのためにも、審査では波及効果や継続性も重視している。2025年は、取り組みの方向性が明確で、周囲を巻き込む力のある組織が選ばれた」と講評した。
■廃食油もペットボトルもリサイクル
「eco検定アワード2025」大賞を受賞した植田油脂は、家庭から出る廃食油の約9割が焼却や排水処分され、環境負荷となっている現状に着目した。「パートナーシップで脱炭素」を掲げ、家庭廃食油の回収体制を構築。近畿地方で回収スポット500カ所を達成した。
同社の松本奈美・総務経理部部長は「気軽に持ってきてもらえるように、スーパーや市役所、銀行、保育園など生活導線に回収スポットを置くことを意識した。特別な容器は必要なく、使用済みのペットボトルに使い終わった油を入れて持ってきてもらえるだけでいい」と説明する。
回収した廃食油は、バイオディーゼル燃料として、テーマパークアトラクションやコンビニエンスストアの配送車両の燃料などに活用されている。回収した使用済みペットボトルについても、再びペットボトルにリサイクルしているという。
同社は2025年7月、中小企業版SBT認定も取得した。松本部長は「多様なパートナーと連携して、2030年には『リサイクルが当たり前』になるように邁進していきたい」と意気込みを語った。
■大阪・関西万博でリユース・リサイクル部材を活用
優秀賞に選ばれた大和リース(大阪市)は、「事業を通じて人を育てる」理念のもと、環境教育を体系化し、持続可能な社会に貢献できる人材の育成を進めている。eco検定に合格した30歳までの若年層が参加する未来環境研究所では、次世代の環境活動を生み出しているという。
同社は環境活動を経営戦略に位置づけ、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)・TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)への対応を進めているほか、大阪・関西万博では、サステナブルな緑化と建築にも取り組んだ。リユース・リサイクル部材を活用し、CO₂排出量を約44%削減した。
同社の池上勉・環境推進部理事は「社会から信頼される企業であり続けるために、これからの持続可能な社会に貢献していきたい」と語った。
■リペア・クリーニングで廃棄物を減らす
同じく優秀賞のレンティアグループは2020年、「再エネ100宣言 RE Action」に参加し、2030年までに事業活動における使用電力を100%再生可能エネルギーにすることを宣言した。
これまでに全国23拠点中8拠点を再エネ電力に移行したほか、関東・中部・九州の物流倉庫の屋根には太陽光パネルを設置した。同社の太陽光発電パネルレンタル事業で使用している在庫や、廃棄予定だったリユースパネルを活用し、資源循環にも取り組んでいる。
同社グループのメイン事業であるレンタル事業では、選任スタッフがリペア・クリーニングを行い、2023年は約21,000件、2024年は約19,000件の再商品化を実施した。
コーユーレンティア経営企画室サステナビリティ推進チーム市川綾子係長は「三方よしに『未来よし』を加えた『四方よし』の理念のもと、社会に貢献する活動を続けていきたい。2030年までにCO2排出量50%削減を実現できれば」と意気込んだ。
■着ない服を「防災クッション」に
奨励賞に選ばれたのは、奈良県立五條高等学校(奈良県五條市)だ。同校は「FUKU-FUKU LOOP」プロジェクトを立ち上げ、衣類の廃棄削減に取り組んでいる。その1つが「防災クッション」だ。
不要になった衣類をクッションカバーに詰め、災害時には着替えとして活用する。平常時は駅や市役所などの公共施設に備蓄品として寄贈し、いざという時に備える。
さらに同校の生徒は、楽しみながら環境を学べる場として「五條市ecoフェス」を企画・運営した。Tシャツをエコバッグに再生するなど体験型ワークショップを充実させ、当日は2000人以上が来場した。
生徒の梶谷直仙さんは、「身近な行動から社会を変えていきたい。そのためにも、楽しみにながら学べる場づくりやきっかけを提供していきたい」と語った。



