記事のポイント
- 花王やキリンなど大手11社のトップがウェルビーイングについて議論した
- 各社のトップが長時間労働から脱却するための施策などを語り合った
- 花王の長谷部社長は悩んでいる当事者に主導権を渡すリーダー論を語った
国連グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)は1月27日、都内で「GCNJサミット2026」を開いた。花王やキリン、KDDI、セブン&アイ・ホールディングスなど大手11社の経営トップが参加し、ウェルビーイングをテーマに座談会を行った。時間と場所の制約にとらわれない働き方に加えて、家庭内の「性別役割」に対する施策を語り合った。(オルタナ輪番編集長=池田真隆)

GCNJでは、加盟企業に解決を求める5つの優先課題を設定しており、「公平な働き方」はそのうちの一つだ。公平な働き方については目指す姿を「一人ひとりの強みや個性が最大限発揮され、誰もがウェルビーイングを実感できる社会」とする。「働く時間と場所の制約」に加えて、「家庭内の性別役割分担」を解決すべき課題にした。
GCNJ加盟企業の中で、公平な働き方の実現に賛同した企業は2026年1月時点で41社に及ぶ。同日に開いた座談会には、そのうち11社の経営トップが出席した。
出席したのは、岩瀬コスファの岩瀬由典社長、花王の長谷部佳宏社長、キリンホールディングスの磯崎功典会長CEO、KDDIの高橋誠会長、ジェイ エイ シー リクルートメント の田崎ひろみ会長兼社長、清水建設の新村達也社長、住友化学の水戸信彰社長、セブン&アイ・ホールディングスの伊藤順朗会長、dentsu Japanの佐野傑CEO、BREXA Holdingsの上山健二会長執行役員CEO、三菱電機の漆間啓社長の11人。
座談会では、清水建設の新村社長が今年4月から導入する新しい人事評価制度を紹介し、長く働く人が評価される構造からの決別を宣言した。三菱電機の漆間社長も、「ポストに対する成果しか評価しない」と言い切った。花王の長谷部社長は、女性に主導権を渡すリーダーシップを強調した。座談会で経営トップが話した内容の要旨をまとめた。
■清水建設・新村社長「長く働く人が評価される構造から決別へ」
建設業界は、長時間労働と男性中心の職場文化が根強い。その中で清水建設の新村社長は、「まずは女性活躍推進から着手した」と語り、より本質的な改革として人事制度の抜本的な見直しを行うことを明らかにした。
今年4月から導入する新制度では、従来重視されてきた職能給(勤続や経験に基づく評価)と、役割給(職責やポストの重さに基づく評価)の比率を大きく変える。
どれだけ長時間働いたかではなく、今担っている仕事の重さで給与が決まる仕組みに転換する。この改革について新村社長は、「1年以上、労働組合と丁寧に議論を重ねた結果、『きちんと評価してもらえるのはありがたい』という声を多くもらった」とし、労働時間が評価されなくなることへの反発よりも、仕事の価値を正当に見てもらえることへの期待が上回ったことを説明した。
■三菱電機・漆間社長「成果しか評価しない」
■セブン&アイ・伊藤会長「制度だけでは不十分」
■花王・長谷部社長「悩んでいる当事者に主導権を」
■KDDI・高橋会長、「AIはチームメンバーの一人」
■キリンHD・磯崎会長「長時間労働はナンセンス」

