LINEヤフー、10年で⽔使⽤量を上回る「⽔源涵養」目指す

記事のポイント


  1. LINEヤフーは水資源の保全を目的に、10年掛けて水源涵養を目指す
  2. 同社グループの水使用量の半分以上がデータセンターでの使用だ
  3. データセンターがある地域の森林組合と連携し、使った量以上の水を育む

LINEヤフーは2月5日、水資源の保全を目的に、福島県の西白河地方森林組合と福岡県広域森林組合と森林整備に関する協定を締結したと発表した。同社は白河、北九州両データセンターで使う水資源を支える流域を対象に、10年掛けて水使用量を上回る水源涵養を目指す。同社にとって、水源涵養を目的とした取り組みは初めて。(オルタナ輪番編集長=池田真隆)

水源涵養に関する計画を説明した、LINEヤフーの西田修一・執行役員サステナビリティ推進CBUリード

近年、気候変動の影響により、世界各地で水不足や水質悪化、洪水などの水リスクが深刻化している。企業にも、事業活動と水資源の関係を中長期的な視点で捉え、対応することが求められている。自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)など国際的な枠組みでも、水資源は重要なテーマだ。

LINEヤフーグループでは、全体の水使用量の半分以上(53.3%)をデータセンターが占める。これまで外気を活用した空調や空冷チラーの導入などにより節水を進めてきたが、今後は「使う水を減らす」だけでなく、「水を育む」取り組みも重視する。

拠点単位ではなく流域全体で水循環を捉え、森林整備を通じて水源涵養を高める。具体的には2026年春から、阿武隈川水系(福島県)と遠賀川水系(福岡県)で10年間にわたり段階的に森林整備を実施する。

間伐や再造林を進めることで、10年目には年間約19万立方メートルの水が涵養され、両データセンターの水使用量を上回る水が流域で育まれる見込みだ。涵養量は専門企業の技術支援のもと、水収支解析で算定する。

森林組合側からは、防災や資源循環の観点からも、同社が取り組み意義は大きいとの声が上がる。

⻄⽩河地⽅森林組合の國井常夫・代表理事組合⻑は、「森林は緑のダムとも呼ばれ、⾬⽔を吸収し地中に⼀時的に貯留し、ゆっくりと時間をかけて河川や地下⽔として供給する。この働きのおかげで、⼤⾬による河川の急激な増⽔や洪⽔が緩和され、⾬が降らない時期でも⽔不⾜(渇⽔)が防がれ安定した⽔の供給を維持する。⼟砂流出や⼟砂崩壊のリスクも低減する。これらの災害が起こった場合の経済的損失を考えると、⽔源涵養の持つ防災機能は⾮常に⼤きい価値がある」と話した。

M.Ikeda

池田 真隆 (オルタナ輪番編集長)

株式会社オルタナ取締役、オルタナ輪番編集長 1989年東京都生まれ。立教大学文学部卒業。 環境省「中小企業の環境経営のあり方検討会」委員、農林水産省「2027年国際園芸博覧会政府出展検討会」委員、「エコアクション21」オブザイヤー審査員、社会福祉HERO’S TOKYO 最終審査員、Jリーグ「シャレン!」審査委員など。

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キーワード: #水#生物多様性

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