[Sustainablebrands.comから転載]
LIXIL(リクシル)は今年7月から9月初旬にかけ、途上国で展開する簡易式トイレ「SATO(サトー)」の取り組みを紹介するテレビCM「世界を変えるトイレ」を放映した。同社は昨年3月に「2020年までに1億人の衛生環境を改善させる」という目標を掲げ、トイレのない途上国の農村部を中心に現地でSATOを製造・販売するBOPビジネス(貧困層向けビジネス)を本格化させている。SATO事業のマーケティング戦略について、木村彰宏・同社マーケティング部副本部長に話を聞いた。(オルタナ編集部=小松遥香)
――SATOは途上国で製造・販売されている商品ですが、今回のCMを制作した意図をお聞かせください。
木村:まず、パートナーである取引先や社員にSATO事業を通してLIXILとはどういう会社なのかを伝えるという意図があります。そして、幅広いユーザーの方々にもLIXILが世界でどういう取り組みをしているかを知ってもらいたいと考えました。
そもそもSATO事業は、簡易式トイレを現地で一貫して生産・販売することで、社会的課題を解決しながら、持続的なビジネスを行っていくというものです。2016年に事業を立ち上げ、専門部署「ソーシャルトイレット部」も設けました。これは、CR(Corporate Responsibility:企業の責任)戦略の重要課題の一つ「グローバルな衛生課題の解決」に則った事業です。SATOは現在、14カ国以上で120万台以上使われています。