米国ニューヨークの原油先物相場は日本時間の3月7日正午頃、時間外取引で2008年9月以来となる1バレル106ドル台に到達した。リビアなど中東・北アフリカ情勢の混乱を受けたもので、原油の安定供給への懸念が価格を押し上げる材料となっている。
リビアで続く内戦が激化していることに加え、今週末には主要産油国のサウジアラビアでもデモが予定されている。市場は他のアラブ諸国にも政情不安の影響が波及する可能性を見越しており、原油供給の途絶を懸念する。
一方で米国はこうした情勢を受け、原油高騰に対処するため、デーリー米大統領首席補佐官は6日、テレビ番組のインタビューの中で、原油の戦略備蓄の放出の可能性があることに言及。「あらゆる選択肢を検討しており、戦略備蓄の放出もその一つだ」と話した。(オルタナ編集部=斉藤円華)2011年3月7日