全員が気象予報士の劇団「お天気しるべ」が初公演

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旗揚げ公演のちらしも劇団員の気象予報士が制作した

気象予報士による劇団「お天気しるべ」が、12月21日に都内で旗揚げ公演を行う。演目は、「天からの手紙~雪の研究に一生を捧げた博士の物語~」。中谷宇吉郎博士が1936年に世界初の人工雪づくりに成功するまでのドラマを、気象予報士の脚本で演じる。(オルタナ編集委員=瀬戸内千代)

お天気しるべは、気象に関する正しい知識を広め減災につなげることを目指し、「お天気の新しい道しるべ」として2012年11月に結成された。

現在20人いる劇団員は、役者から小道具や大道具担当まで全員気象予報士である。音響や演出はプロのサポートを得て、今は週に4回の稽古を重ねている。

気象予報士は1994年にできた国家資格で、近年の合格率は約4%である。お天気しるべ座長の中島俊夫氏は、2002年に資格を取得した。2008年からは、気象予報士らで結成した「晴家(はれるや)」のリーダーとして、ギター片手に実験や歌を通して気象の面白さを伝える活動を展開。

現在は、資格試験対策の家庭教師や講師を務める。初公演では、主人公の中谷宇吉郎役を演じる。脚本も自ら執筆した。

「予報業務だけするのではなく、もっとエンターテインメントにも力を入れて、多くの人に気象の世界を身近に感じてもらうことが必要。ライブなら、人の心に直接伝わる」と、劇団設立の背景を語る。

「努力して気象予報士になれても正直なところ仕事は少ない。いずれは全国にお天気しるべの支部をつくり、多くの予報士に新たな活躍の場を提供したい」と抱負を語った。

中谷宇吉郎は、「雪は天から送られた手紙である」という言葉を残した実在の物理学者。多様な形状の雪の結晶を記録し、気象条件との関係を研究した。恩師の寺田寅彦と同じく随筆の名手でもあった。

今回の劇には、彼らに影響を与えた夏目漱石役も登場する。台本は一部創作したが、ほぼノンフィクションで、「中谷宇吉郎 雪の科学館」(石川県加賀市)の館長や遺族の許可を得て完成させた。

初公演は、定員200人の森下文化センター(東京・江東)で12月21日の14時開演。大人1500円、小学生500円。申し込みはメール(otenki_sirube@yahoo.co.jp)で受け付けている。

2013年12月10日(火)14:53

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