企業の社会貢献活動の振り返りと次なるステップ【サステナビリティ・ウォッチ】

日本経団連の「2011 年度社会貢献活動制度調査結果」の結果をみると、社会貢献活動を今後推進していく上で、「(社会貢献活動の)経営への戦略的位置づけ」を課題として挙げる企業が依然として多い。その他には「社員の理解・社会参加の促進」なども課題として挙げられているが、経営への戦略的位置づけ抜きには、社員の理解を得ることは難しいと思われる。報告書は「経営層の関与を含めた社会貢献活動のあり方が問われている。」と結論づけている。

また、昨年11月下旬に、イースクエアが提供するCSR情報サイト「CSR コンパス」の会員企業と共に、戦略的社会貢献に関するワークショップを実施した際、多くの参加者が課題として挙げたのが「(社会貢献活動の)全社方針の明確化」である。経営における社会貢献活動の方針や目的が不明確なままでは、支出に対する株主やその他のステークホルダーからのプレッシャーも強くなることが想像できる。また、社会貢献活動の目的を一貫して説明することや、評価基準を確立することは困難である。

求められる社会貢献活動の戦略的位置づけ

戦略的に行う、というと仰々しいが、やはり今後は、経営における社会貢献活動の戦略的な位置づけを明確化する必要がある。要は、「なぜその社会貢献活動を行うのか」という問いに答えられるか、ということである。

社会貢献活動を行う理由を企業経営の文脈において明確化することで、自社の限られたリソースを最大限有効に使い、最も大きな社会的価値を生み出す活動に選択と集中することが可能になる。

また、対象としている社会課題の改善が事業目的の達成に貢献するため、社会貢献活動をより効果的に推進するインセンティブが企業に生じる。結果として社会課題の解決が一段と進展するという好循環が生まれるのである。

戦略的な社会貢献活動は、社会課題が企業の事業活動に密接であればあるほど、より大きな価値を社会と企業双方に生み出す可能性をもつのである。

イースクエアは引き続き企業の戦略的な社会貢献活動の支援を推進したいと考えている。

【きくち・たつのり】米国の大学で環境学を修了。在学中は、環境保護団体で湿地保全のボランティア活動等に参加。卒業後、現地の環境コンサルティング会社にて環境監査・環境トレーニングの業務に従事。帰国後、国内の経営コンサルティング会社、東北大学大学院環境科学研究科の研究員を経て、イースクエアに参加。CSR の社内浸透や人財育成支援のほか、社会貢献活動の戦略策定や地域資源を活かした循環モデルの開発に携わっている。

(この記事は株式会社オルタナが発行する「CSRmonthly」第5号(2013年2月5日発行)」から転載しました)

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2014年8月13日(水)12:52

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